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セガ ゲームセンター運営から撤退
先週11月4日、セガサミーホールディングスは、連結小会社であるセガエンタテインメントの株式の一部を、GENDA(アーケードゲームのレンタル事業会社)に譲渡すると発表しました。これにより、セガはゲームセンター運営から撤退する事になります。なお、撤退はあくまでも「運営」であって、アーケードゲームの「開発」は継続されますし、譲渡後も既存のゲームセンターのセガの名称は引き継がれるそうです。
https://www.segasammy.co.jp/japanese/pdf/release/20201104_j_subsidiary_final.pdf

セガがアーケード事業を始めたのは、今から55年前の1965年の事です。特に存在感を示すようになったのは1980年代で「ハングオン」「スペースハリアー」「アフターバーナー」など、体感型筐体ゲームが人気を博しました。その後1993年に稼動した格闘ゲーム「バーチャファイター」が空前の大ヒットを記録、当時はまだ少なかった3Dゲームを世に広めるきっかけを作ったのです。そして2003年には、トレーディングカードゲーム「甲虫王者ムシキング」が小学生を中心に大ブームを巻き起こしました。

またセガは「UFOキャッチャー」や「プリント倶楽部」(アトラスと共同開発)といったビデオゲーム以外の製品でも大成功を収めています。昔のゲームセンターは客のほとんどが男性で、しかも素行の悪い不良達の溜まり場という印象が強くあり、出入りを禁止する学校も少なくありませんでした。そんなゲームセンターに女性を多く呼び込んだのがUFOキャッチャーやプリント倶楽部であり、以後ゲーセンの客層やイメージは大きく改善される事になったのです。

このように、セガはアーケードゲーム市場で長年活躍してきた会社です。かつてのセガは「家庭用ゲームの赤字をアーケードの儲けで補う」というような経営状況でした。そんなセガがアーケード運営をやめるというのは、2001年のハード事業撤退に匹敵する衝撃的な出来事です。とはいえ、近年のアーケードゲーム市場の情勢を考えると、セガに限らずどのメーカーも経営が苦しいのは容易に想像出来ます。

アーケード事業が厳しい理由の一つが、家庭用ゲームの進化です。昔はアーケードに比べて家庭用ゲーム機の性能は低く、移植する際もグラフィックを落としたり、ステージを少なくして容量を減らすといった対応が必要でした。例えば、任天堂の「ドンキーコング」はアーケード版は全4面でしたが、ファミコン版は全3面になり、主人公マリオの挙動も簡略化されています。また昔はインターネットも存在しなかったので、不特定多数のプレイヤーと対戦するにはゲームセンターに出向くしかありませんでした。

それが近年では、家庭用ゲーム機の性能は大幅に向上し、アーケードとの差は無くなりました。またネット通信によって、家にいながら世界中のプレイヤーと対戦や強力プレイを楽しむ事が可能になっています。このように、わざわざゲームセンターまで足を運ぶ意味が薄れた事が、客離れが進んだ原因です。

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※画像は特に意味がありません

その他の理由としては、プレイ料金の値上げが難しい事が挙げられます。ゲームセンターは1プレイ100円が基本であり、これは日本で最初にアーケードゲームがブームになった、1978年のスペースインベーダー(タイトー)から40年以上変わっていません。世の中は物価が上昇し、また消費税も10%に引き上げられた(1978年当時は消費税0%)事を踏まえると、未だに1プレイ100円のままというのは無理があります。

この解決策として、最近では電子マネー決算を導入するゲームセンターが増えつつあります。電子マネーならば、1プレイの料金を110円や123円といった具合に1円単位で設定可能なので、ようやく100円の呪縛からは解き放たれました。しかし、電子マネー用の端末設置にはかなりのコストがかかる(しかも筐体毎に必要)ため、小規模なゲームセンターでは中々導入が進んでおらず、完全な問題解決には至っていないのが実情です。

そして、極め付きが新型コロナの影響です。これにより、ただでさえ減少していたゲームセンターの客入りにトドメがさされました。これでは、セガがゲームセンターからの撤退を決断するのも仕方ない事でしょう。

正直なところ、新型コロナが終息したとしても、今後アーケードゲーム市場が復活する見込みは無いです。ある意味、セガのゲームセンター運営撤退は良い機会だったのかも知れません。筆者個人としては、学生時代はほぼ毎日通っていたぐらいのゲームセンター好きなので、世の中からゲーセンが消え行く事を寂しく思いますが、これも時代の流れと諦めるしかないのでしょうか…。

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XboxSX と PS5 の販売台数予想
いよいよ来週、マイクロソフトのXboxSX(11月10日)、ソニーのプレイステーション5(11月12日)が発売されます。現在の日本家庭用ゲーム市場は任天堂のSwitch一強状態であり、次世代機の発売でこの勢力図がどう変化するのか、非常に興味深いです。はたして、XboxSXとPS5はどれぐらい売れるのか、初週と累計の販売台数を予想してみます。

参考として、ファミ通集計による、歴代のXboxとPSシリーズの販売データを一覧にしました。
歴代Xbox・PSの販売台数(万台)
ハード初週累計
Xbox1247
Xbox3606162
XboxOne211
PS2632199
PS391027
PS432924

データを見ると、現行機のXboxOne、PS4は共に売上が低迷している事が分かります。スマホゲームの台頭や、少子化の影響(これは両ハード共あまり関係ないかも)で、家庭用ゲーム市場は大幅な縮小が続いています。ゆえに、現行機からの大幅な変革が無い限り、次世代機の販売も相当苦戦する事になるでしょう。

とはいえ、個人的にXboxSXはOneを上回る可能性が高いと思っています。その理由の一つが、XboxSXはハイエンドパソコン並に高性能な事です。12TFLOPsのGPU性能、レイトレーシングによる影や光の表現などは、ライバルのPS5を大きく凌駕しています。性能のアピールでライトユーザーを取り込むのは中々難しいですが、ゲームマニアにとってはかなり魅力的ではないでしょうか。

しかも、高性能でありながら49980円(税込54978円)という安さに抑えている点も素晴らしいです。単純にゲーム機として考えれば5万円は高額ですが、29980円(税込32978円)のXboxSS(グラフィック性能を抑えてディスクレスにした安価モデル)も併売されるので、価格面では問題無さそうです。Xboxゲームパス(月額支払いで対象のソフトが遊び放題になるサブスクリプションサービス)もあるので、コスパは相当良いと言えるでしょう。

そして、マイクロソフトが多少なりとも日本市場の獲得に力を入れている事もプラスに働きそうです。これまでのXboxは、日本市場を軽視し続けてきました。本体の発売がアメリカより1年遅れだったり、日本のメーカーのソフトなのに日本だけ発売されない(例えばカプコンのモンハンワールドは、海外ではXboxOne版も発売されましたが日本はPS4版のみ)など、とにかく酷い扱いをされてきました。

しかし、XboxSXは日本もアメリカと同日発売(日本では初)になり、またXboxSX専用タイトルではないものの、ドラクエ11Sが遊べるようになった(ドラクエがXboxで発売されるのは初)など、日本ユーザー向けのソフトラインアップも増えている印象があります。

これらの点を加味すると、XboxSXが爆発的な人気になる事は考えられませんが、One以下に終わる可能性も低そうです。まあ、XboxOneは累計でもわずか11万台しか売れていないので、これを下回る方が難しいでしょう。よって、XboxSXの初週販売台数は3~5万台程度、累計はおよそ50万台になると予想します。


一方、PS5はPS4を大きく下回る可能性が高いです。PS4は、ファイナルファンタジー、ドラクエ、モンハンをはじめ、サードパーティーの大半のソフトが発売されるという、充実したラインアップでした。にも関わらず、本体の累計販売台数は1000万台に届かず、3年遅れで発売したSwitchにあっさり抜かれるという醜態を晒しました。PS1や2の頃と違い、プレイステーション(とサードパーティー)のブランド力は既に地に落ちているのです。

PS5はそのソフトラインアップも貧弱で、ローンチに独占ソフトが一本も無いという信じられない状況でのスタートになっています。来年以降のタイトルも数少なく、それなりに期待出来そうなタイトルはFF16のみです(これも100万本以下に終わりそうですが)。ドラクエはXboxにも出るぐらいなので、今後もマルチ路線(=PS独占にはならない/仮に独占ならSwitch一択)と思われますし、モンハンは最新作がSwitch独占と、ソフトラインアップはPS4時代よりも更に弱くなっている印象を受けます。

そんな中で発売されるPS5は、初回の出荷数が10万台程度しかないという噂が流れています。しかもソニーの発表によると、発売日の店頭発売は行わない(予約分で完売)という事です。
https://blog.ja.playstation.com/2020/11/05/20201105-ps5/

新ハードの発売日に、予約客以外に一切販売しないというのは前代未聞です。名目上は新型コロナの感染拡大防止という事になっていますが、やはりこれは初回出荷数が少ない事の証明だと思います。その上、二週目以降の予約受付を行っている店舗が見受けられない事から判断すると、初回だけでなく数週間(数ヶ月?)はずっと出荷数が少ないのかもしれません。筆者の事前予想では、PS5の品薄は最初だけで、転売需要が落ち着けばすぐ定価で買えるようになると考えていましたが、あまりにも出荷数が少なすぎると、しばらくは入手困難が続く事もあり得ます。

更に、PS5は歴代のPSハードの中でも特に高額という問題があります。
PSハード発売初期価格(税込)
ハード価格
PS139800円
PS239800円
PS3(60GB)オープン価格
PS3(20GB)49980円
PS441979円
PS554978円
PS5 DE43978円

基本的に、PSハードの初期は約4万円が主流であり、PS5もディスクドライブの無いDE(デジタルエディション)は同価格帯です。しかし、ソニーにとってDEは逆ザヤが大きいらしく、ノーマル版と比べて出荷数がかなり少ないと噂されています。一部の小売の情報では、DEはPS5全体の10~15%程度しか無いという事です。ただでさえ、PS5本体は出荷数が少なくて入手困難なのに、その中で更に割合の少ないDEを買うのはまず無理でしょう。

つまり、約4万円のDEは世の中に存在しないも同然で、55000円でノーマル版を買うしかないと考えるべきかもしれません。よって、PS5はPS3の60GBに次ぐ、歴代で2番目に高額という事になります。価格は高い(XboxSXと同額なのに性能やサービスで劣る)、ソフトラインアップも貧弱となれば、はたしてPS5を買うメリットはあるのでしょうか。
※PS3の60GBモデルは値段の決まっていないオープン価格でしたが、多くの店舗では20GBより約1万円高い6万円程度で販売されていました。

こうした点を踏まえると、PS5の初週販売台数は10万台程度、累計では500万台~600万台(PS4からほぼ半減)といったところに落ち着くと推測されます。最近のSwitchの週間販売台数は10万台前後なので、PS5との初週対決は中々のデッドヒートになる気がします。


ちなみに、PS5の週間販売台数がいつ4桁(1万台割れ)になるのかも予想してみます。日本のゲーム市場において、週販が4桁に落ち込むタイミングは、ハードの成否を表す試金石となります(Switchは発売から3年半以上経ちましたが、4桁落ちは一度もありません)。

近年のPSハードの4桁落ちは、
PS3=27週目
Vita=17週目
PS4=12週目
となっています。

これらのデータを加味すると、PS5は9週目(2021年1月第2週)で4桁になると推測します。おそらくPS5はPS4よりも4桁落ちが早くなるでしょうし、ゲームハードはクリスマスやお年玉需要の無くなる年明け2週目で急激に売上が落ちる傾向がある事を踏まえると、中々良い予想ではないかと思います。

ひょっとして、あまりの出荷数の少なさで発売2週目で4桁という珍事が見られるかもしれませんが…。

WiiU > PS4 高校生の保有ゲーム機
調査メディアのLINEリサーチが「高校生のゲーム事情」に関するアンケート結果を発表しました。「高校生が保有するゲーム機」については、1位3DS、2位Wii、3位Switch、4位DS、5位WiiUと、任天堂ハードが上位5つを独占する結果となっています。高校生のスマホ所有率やLINE利用率は9割を超えている事を踏まえると、このアンケート結果は概ね実態を表した数字と考えられるでしょう。

95403d84.png
「出典:LINEリサーチ」
http://research-platform.line.me/archives/36198116.html

参考データ
ハード発売年現高校生の当時の年齢
DS・PSP20040~2歳
PS3・Wii20062~4歳
3DS・Vita20117~9歳
WiiU20128~10歳
PS4201410~12歳
Switch201713~15歳

現在の高校生にとって、3DSの発売は小学校低学年の頃です。小学生にとっては、ポケモンが発売される任天堂の携帯ゲーム機はほぼ必須のツールです。他に、3DSは妖怪ウォッチの爆発的ヒットがあった事も、子供への普及が進んだ大きな要因でした。ゆえに、3DSが高校生の保有率で最も高いのは当然でしょう。

そして3位はSwitchです。2020年になってから、Switchはずっと品薄状態が続いており、未だに入手困難が続いています。ゆえに、欲しくても買えない人がまだ大勢いる状況であり、高校生への普及はこれからが本番と言えます。やはり人気が高いソフトはあつ森で「普段自宅でプレイしているゲーム」で男女共に1位を獲得しています。友人とのコミュニケーションツールとして、今後もあつ森がSwitch市場を大きく牽引していく事になりそうです。

なお、世間的には失敗ハードであるWiiUが、5位にランクインしているのは少々意外でした。WiiUは販売台数こそ少なかったものの、スプラトゥーンの存在が、子供層への普及に大きく貢献していたのだと推測されます。

このように、上位5つは全て任天堂ハードであり、高校生にとってPSシリーズは全く人気が無いという現実が明らかになりました。Vitaは3DSと同年に発売されていますが、子供にアピール出来るソフトがマインクラフト一本だけだったので、保有率では3DSに大きく劣る結果になっています。PSとしてトップのPS4ですら保有率はWiiU以下というのが衝撃的です。

とはいえ、冷静に考えればPSハードでの最後のヒットはPSPのモンハン(最盛期は2008~2010年頃)です。以降のPSハードは、PS3・Vita・PS4のいずれも大して普及せずに終わっており、つまり現在の高校生はPSが人気だった時代を一度も経験していない年代という事です。こうした点を踏まえれば、高校生のPS人気が低い(そもそも認知すらされていない?)のは何もおかしくないのかもしれません。

更に、PSシリーズの問題点は女子人気が極めて低い事です。任天堂ハードはいずれも男女比がほぼ同等であり、WiiやSwitch Liteに至っては女子の割合の方が多くなっています。一方、PSシリーズの女子比率は全て男子の半分以下です。発売されているソフトラインアップを見ても、PSシリーズは男性をターゲットにしたタイトルが大半であり、女子向けのソフトは極めて少ないので、この結果にも納得です。任天堂のソフトが、あつ森・ポケモン・スマブラ・マリオカートなど、男女問わず人気である事とは正に対照的です。余談ですが、女子の人気ソフト2位が3DSのとび森なのがすごい…。

当ブログではこれまで何度も語ってきた事ですが、子供や女性を軽視したゲームハードなんて絶対に成功出来ません。日本は少子化が進んでいるとはいえ、ゲーム市場における最大のターゲットは今でも子供です。そして言うまでもなく、世の中の半分は女性です。近年のPSハードが衰退しているのは、子供や女性を疎かにしてきた愚かな戦略が原因ではないでしょうか。

ちなみに、このアンケートは「自宅にあるゲーム機は?」という質問なので、回答した高校生自身の所有物だけでなく、親や兄弟などが持っているゲーム機も含まれています。にも関わらずPSハードの割合が全体的に低いという事は、PSはどの年代にも受け入れられていないという、悲しい現実が浮かび上がってきます。ひょっとして、LINEをやらない高校生に人気とか、子供のいない中高年に大ヒットという事があるのかもしれませんが、いずれにせよぼっちユーザーにしか受け入れられていないようでは、次世代機PS5の未来も暗いでしょう。

マイクロソフトが75億ドルでベセスダ買収 追い詰められるソニー
9月21日、マイクロソフトはアメリカの大手ゲーム会社「ベセスダ・ソフトワークス」と、その親会社「ゼニマックス・メディア」など関連スタジオを75億ドル(約7830億円)で買収した事を発表しました。
参考リンク:https://www.4gamer.net/games/999/G999905/20200921002/

日本のゲームユーザーにとってはあまり馴染みがないでしょうが、ベセスダは「The Elder Scrolls」シリーズ(オブリビオン・スカイリム他)や「Fallout」など、累計販売本数1000万本・2000万本ものタイトルを有する、世界トップクラスの巨大ゲーム会社です。そのベセスダがマイクロソフトに買収され、事実上のファーストメーカーになったという事は、極めて大きな意味を持ちます。

ハードメーカーは、基本的に自社ハードでしか自社ソフトを発売しません。例えば、任天堂の看板タイトルであるスーパーマリオやポケットモンスターが、プレイステーションで発売された事は一度もありません。逆に、ソニーのみんなのゴルフやグランツーリスモが、任天堂ハードで出た事もありません。ハードメーカーは自社のゲーム機を普及させる事が最重要課題なので、他社ハードでソフトを発売するのはマイナス面が大きいのです。

一部例外として、マイクロソフトのマインクラフトは、WiiUやSwitch、VitaやPS4など他社ハードでも発売されています。マインクラフトは元々スウェーデンのゲーム会社「Mojang Studios」のタイトルで、当初はマイクロソフトの作品ではありませんでした(2014年に買収)。マイクロソフトは現在でもマインクラフトのマルチ展開を継続していますが、これはクロスプラットフォーム化してより多くのユーザーを獲得する事を目的とした戦略です。実際、マインクラフトは全プラットフォームの合計販売数で1億7600万本以上(2019年時点)を記録しており、世界で最も売れたビデオゲームとなったのです。

しかし、マインクラフトはあくまで特例であり、ベセスダのソフトは今後Xboxシリーズ(とパソコン)でしか発売されないと考えるべきです。とはいえ、おそらくこの買収がSwitch市場に与える影響は小さいです。Switchはこれまで、ほぼ任天堂1社のソフトでハードを普及させてきましたし、そもそも買収が無かったとしても、性能面でベセスダの主力タイトルを出すのは難しかったと思われます。

一方、ソニーがマイクロソフトにベセスダを奪われた事は大きな痛手です。自社ソフトの力が弱く、サードパーティーに依存しているソニーにとって、有力なソフトメーカーを永久に失った事は正に致命傷です。買収前から開発が進んでいたベセスダのソフトについては、今後もPSで発売されるという事ですが、これから開発が始まるタイトルについては、Xboxの独占となるでしょう。

こうした状況でも、ファミ通は「ベセスダソフトは今後もPSで発売されるだろう」という旨の記事を掲載しています。75億ドルもの大金を使って買収したのに、何故ライバルハードにソフトを提供すると思えるのか、ファミ通のPS脳は筋金入りです。
https://www.famitsu.com/news/202009/22206218.html

確かに、これまでマルチタイトルだったベセスダのソフトがXbox独占になる事で、その分売上は減少するでしょう。買収した75億ドル分を取り戻すのは、決して容易ではありません。しかし、マイクロソフトはサブスクリプションサービスであるXboxゲームパスの充実が狙いであり、買収で短期的に損をしても、将来的には大きなプラスになると判断したのだと推測されます。何より、PSを完全に潰す事がマイクロソフトにとって最大の利益になる、という思惑があったのではないでしょうか。マイクロソフトの、次世代機は必ず勝利するという本気度が窺えます。

なお、マイクロソフトは今後も大手ソフトメーカーを買収していくという噂があります。世界最大規模の会社であるマイクロソフトと札束での殴り合いになると、ソニーには全く勝ち目はありません。ただでさえ、PS5の性能はXboxSXに劣っているのに、ソフトラインアップでも差を付けられる事になれば、最早PS5の存在価値は無いです。

ちなみに、アメリカ任天堂の社長ダグ・ボーザー氏は、マイクロソフトのゲーム事業のトップであるフィルスペンサー氏に対して「おめでとう!」と軽いノリでの買収お祝いコメントを寄せています。

また昨日10月1日には、スマブラSPの新ファイターとして、マインクラフトのスティーブ・アレックス・ゾンビ・エンダーマンの参戦が発表されました。



このように、任天堂とマイクロソフトは良好な関係を築いています。どこかのハードメーカーだけが孤立している気がしますが、まあこれも自業自得でしょう。

18時間後に死ぬPS5
9月17日午前5時、ソニーは次世代機PS5を紹介する映像イベント「PLAYSTATION5 ショーケース」を公開しました。発売日は11月12日、価格はノーマル版が49980円、ディスクドライブの無いデジタル・エディションが39980円(共に税抜き)との事です。注目ソフトとして、スクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジー16」の発表もされています。



個人的に、これは中々頑張った価格設定だと感じました。PS5の発売の2日前(11月10日)には、ライバルであるマイクロソフトのXboxSXが同じく49980円で発売されます。XboxSXは、ハイエンドパソコンに匹敵する高性能を有していながら5万円程度に抑えるという、マイクロソフトによる身を削った価格設定がされています。PS5はXboxSXよりも大幅に性能が劣っており、場合によっては性能が低いのに価格が高くなるという事も懸念されていましたが、どうやら最悪の状況は免れたようです。

とはいえ、PS5の製造コストはおよそ5万円と推定されており、流通や小売の取り分も踏まえると、49980円での販売は逆ザヤである可能性が高いです。また、ゲームマニア相手ならともかく、一般ユーザーにとって5万円(税込み約55000円)という価格は、簡単に手が出る金額ではありません。安いモデルで比較しても、XboxSSが32980円でPS5デジタル・エディションが39980円なので、PS5の割高感は否めません。

結局のところ、PS5は高価格で中々普及しない・売れても逆ザヤに苦しむ(販売数が少ないとコストダウンが進まない=逆ザヤ解消に時間が掛かる)という、厳しい状況に追い込まれる事になりそうです。

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このPS5の発表と同日の23:00より「ニンテンドーダイレクトmini 2020.9」が公開されました。そこで、カプコンの新作「モンスターハンター RISE」と「モンスターハンターストーリーズ2」がSwitchで発売される事が発表されました。モンハンRISEの発売日は2021年3月26日、ストーリーズ2は2021年夏となっています。

※以下の動画はダイレクトminiの直後に放送されたモンハンダイレクトです。



ついに、モンハン新作がSwitchで発売されます。2018年にPS4で発売されたモンハンワールドは、世界全体で1600万本を販売する大ヒットを記録しました。ですが、日本でのパッケージ版の販売数は196万本で、全盛期のモンハンP3の半分にも満たない売上に終わりました。日本でモンハンがヒットしたのは、みんなで持ち寄って遊べる携帯機で発売された事が大きな要因でした。ゆえに、据え置き機であるPS4ではコミュニケーションツールとしての広まりが薄く、売上も激減したのです。

その点、携帯機としても使えるSwitchならば、かつてのように持ち寄ってモンハンを遊ぶ事が可能です。衰退したモンハン市場を再び盛り上げるため、モンハンRISEに課せられた使命は大きいと感じます。残念ながら、新型コロナの影響で大勢で集まって遊ぶ事は難しそうですが…。

そして、モンハンストーリーズ2の存在も大きな意味があります。モンハンストーリーズは、2016年に3DSで発売されたモンハンの外伝作品で、アニメ化もされました。メインターゲットは小学生で、若年層にモンハンを広めるために生み出された作品です。しかし、ストーリーズは内容が子供向けすぎたのか、ゲーム・アニメ共にあまり人気が出ずに消えて行きました。その反省か、ストーリーズ2は主人公達の年齢や見た目を少し上げて、子供向けになりすぎないような作風に仕上げている印象を受けました。

ゲーム市場では、既存ユーザーばかり相手にしていては先細りするだけなので、次々と新規ユーザーを開拓していく事は極めて重要です。実際にストーリーズ2で若年層を獲得出来るかは分かりませんが、カプコンがモンハンユーザーの拡大に務めている事は素晴らしいと思います。

気がかりなのは、今回のモンハン新作発表で、Switch本体の品薄具合が更に加速するかもしれない事です。最近になってSwitch Liteを店頭で見掛けるようになったので、ようやく品薄は解消されてきたと感じています(ノーマルSwitchは未だ入手困難)。ですが、これから年末商戦が始まり、そして来年3月にモンハンRISEが発売される事で、またSwitchの供給が不足するかもしれません。

しかも、任天堂は近い内に新型Switch(4Kに対応した高性能版?)を発売するという噂もあり、これまで以上に本体の争奪戦が繰り広げられる可能性は充分考えられます。まだSwitchを入手していないモンハンファンは、今の内に本体入手に手を尽くしておくべきではないでしょうか。



悲惨だったのは、モンハンの発表ですっかり話題を奪われてしまったPS5です。よりによって、発売日と価格を発表した同日にニンテンドーダイレクトをぶつけられるとは、ソニーにとって正に悪夢のような出来事です(そもそも新ハードの発表がソフト1本でかき消されるのが情けないですが)。まあ、モンハン新作は元々東京ゲームショウ2020(9月23日~)の直前に発表するつもりだったでしょうから、PS5発表の時期と被るのは仕方ないですが、まさか全く同じ日に行われるとは、無慈悲な任天堂の恐ろしさを感じました。

ちなみにソニーは、Vitaの発表直前に3DSでモンハン3Gと4を発表された過去もありました。結果、Vitaは発売前から死ぬという不遇の運命を辿りました。はたして、PS5はVitaとは違う未来を掴み取れるでしょうか?

次世代Xbox 49980円と32980円の2モデルを展開 ライバルPS5は…?
マイクロソフトは、Xboxシリーズの次世代機に関する発売日と価格を発表しました。日本での発売日は11月10日(アメリカと同日)で、高機能の「Xbox Series X」が49980円、その廉価モデル「Xbox Series S」が32980円(共に税抜き)となっています。
https://news.microsoft.com/ja-jp/2020/09/10/200910-xbox-series-x-and-xbox-series-s-launching-november-10/

この値段の安さに驚いたゲームユーザーは多かったのではないでしょうか。これまでに発表された情報によると、XboxSXはハイエンドパソコン並のスペックを有しており、製造コストを考えれば価格は6万円か7万円、あるいはそれ以上になると危惧する声も多かったです。こうした予想を覆し、約5万円という価格に抑えたのは、次世代は絶対に勝つというマイクロソフトの本気度が窺えました。

そして、次世代Xboxのもう一つのモデル、XboxSSについても正式発表されました。これは以前から、コードネーム「ロックハート」と呼ばれていた、XboxSXの廉価版です。XboxSSのグラフィックは、SXと比較して劣る(現行のXboxOneと同程度?)ものの、基本的な機能はほぼそのままで、XboxSXと同じゲームが遊べます(ただしディスクレスでソフトはダウンロード版のみ)。XboxSSは約3万3000円と、SXよりも2万円近く安いです。

XboxSXの約5万円という価格は、ハードのスペックを踏まえれば格安ですが、単純にゲーム機の値段としてはかなり高額です。そこで、全く同じゲームが遊べる廉価モデルを併売する事で、コアゲーマーとライトユーザーの両方にアピールするというのが、マイクロソフトの戦略です。まあ、パッケージソフトの販売が見込めない、ディスクレスハードは小売に嫌われそうですが…。

なお、海外では「Xbox All Access」というサービスも設けられています。簡単に言うと、次世代Xbox本体代金の分割支払い制度で、スマホの月額料金をイメージすると分かりやすいと思います。SXは月額34.99ドル、SSは月額24.99ドルを2年間を支払う事で、本体購入の初期費用が無料になります。それに加えて、ネットサービスの「Xbox Live」と、サブスクリプションの「Xbox Game Pass」、サードパーティーであるエレクトロニック・アーツのサブスク「EA Play」も付いてくるという、超お得な内容になっています。

エレクトロニック・アーツには、アメリカで人気の高い「マッデンNFL」(アメフト)、ヨーロッパで大ヒットしている「FIFA」(サッカー)など、世界的に影響力の強いタイトルがいくつもあります。こうしたエレクトロニック・アーツのゲームが格安で遊べるというのは、次世代Xboxの大きな魅力と言えます。

ハード性能が高い割に価格が安い、各種サービスも充実している、過去のXboxシリーズとの互換がある、という事で、次世代Xboxは欧米でかなりの売れ行きになると予想されます。とはいえ、残念ながら日本ではさっぱり売れないでしょう。日本における現行のXboxOneは、6年間の累計販売台数がわずか11万台という酷い有様です。にも関わらず、次世代Xboxは日本とアメリカで同日発売(Xboxとしては初)というのは意外でした。ついに、マイクロソフトも日本市場を本気で狙いに来たという事かもしれません(絶対売れないですけど)。



ところで、ソニーもマイクロソフトと同じく、今年末に次世代機「プレイステーション5」の発売を予定していますが、現時点では発売日や価格は明らかになっていません。これまで発表を先延ばしにしてきたのは、後出しジャンケンでXboxSXの価格に対抗するための戦略だと言われていました。PS5の性能はXboxSXより大幅に低く、せめて価格で下回らなければ、普及が見込めないからです。ところが、XboxSXはソニーが想定していた価格よりかなり安く(たぶん)、それより更に安いXboxSSも発表されました。

アメリカの通信会社Bloombergの発表によると、PS5の製造コストは約450ドル(およそ5万円)になるという事です。この推測が正しければ、PS5はXboxSXより性能が低いのに価格が高いという、最悪の事態に陥る事になります。そのため、ソニーはPS5の値段を改めて考え直す必要に迫られたのでしょう。

ソニーはこれまでも、新ハード発売時の価格設定でつまずいた事がありました。その一つが、PSPの価格発表が延期された「空白の17分」と呼称される事件です。本来、PSPの価格は「PlayStation Business Briefing 2004」で発表されると目されていました。ですがその当日、PSPと同時期に新ハードDSの発売を予定していた任天堂が、突如DSの値段を15000円と発表したのです。おそらく、ソニーはPSPの価格を3万円程度に設定していたと思われますが、DSの2倍の値段では割高感は否めません。

その結果、発表会は予定より17分遅れで始まり、その日に価格発表がされる事はありませんでした(正式発表は1ヵ月後、19800円に)。任天堂の奇襲によって、ソニーのPSPは大きな逆ザヤで販売せざるを得ない状況に追い込まれたのです。

※空白の17分の詳細は、以下の筆者HPにてご確認下さい。
http://www.gamegyokai.com/history/17minute.htm

また、ソニーはPS3の価格発表でも失敗しています。PSハードは1・2共に初期価格は39800円でしたので、多くのユーザーはPS3も同等の値段になると思っていました。ですが「E3 2006」にて発表されたPS3(20GB)は税込み62790円という衝撃の価格!ちなみに、プレイステーション産みの親である久夛良木健氏は、PS3について「安すぎたかも」というトンデモ発言を残しています。この価格がゲームファンから大きな反発があった事や、任天堂が同時期に発売するWiiを25000円と発表した事もあり、PS3(20GB)は何と発売前に値下げに踏み切り、49980円での販売となりました。

そもそも、ゲームハードは設計前にある程度の販売価格を設定し、それに合わせて性能や仕様を決定するものです。ソニーのように、ライバルハードの発表で右往左往し、製造コストをぶっちぎって価格を改定するのは、企業の戦略としてあり得ない事です。SCE(ソニーの旧ゲーム部門)が2度も債務超過に陥ったのは、こうした行き当たりばったりの企業体質が大きな原因でしょう。

はたして、PS5の価格はいくらになるでしょうか。世界最大規模の企業であるマイクロソフトと札束の殴り合いをしても、ソニーに勝ち目は100%ありません。ゆえに、PS5は逆ザヤではなく利益が出る価格にすべきですが、それではXboxよりも高額になるので、売上は期待出来ません。安くすれば3度目の債務超過で死ぬ、高くすれば普及しないのでやっぱり死ぬ、PS5には絶望的な未来しかないのかもしれません。

知らない人に伝える難しさ
近年、将棋界では藤井聡太氏の活躍ぶりが話題となっています。史上最年少でのプロ入り、公式戦29連勝の新記録樹立、最年少での初タイトル(棋聖)獲得などすさまじい快進撃を見せており、そして昨日行われた王位戦にも勝利し、最年少(18歳1カ月)での二冠&八段昇段を達成しました。ニュース番組では、こうした藤井二冠の偉業が大々的に報道されています。

ですが、藤井二冠の輝かしい実績を伝える番組は多いものの、対局の中身を深く追求しているケースはほとんどありません。勝負飯が何だったとか、対局が行われる旅館が一泊何万円だとか、年収が何千万円になるとか、将棋の内容と直接関係無い事ばかりが語られているのです。

それもそのはずで、一般人の多くは将棋の基本的なルールすらよくわかっていません。将棋は野球やサッカーと違って点数があるわけではないので、素人が対局を見ても、今どちらが優勢なのか、どこで流れが変わったのか、といった事を判断するのはまず不可能です。ゆえに、藤井二冠の一手がどれだけすごいか力説したところで、視聴者はさっぱり理解出来ないのです。

ぶっちゃけて言えば、将棋という競技そのものに興味がある人は未だ少なく、注目されているのは「藤井聡太」という個人でしかないのです。将棋ファンからすると、上っ面な内容しか放送しないテレビには憤りを覚えるかもしれません。しかし、ニュース番組は事象を深く掘り下げる事よりも、一般に広く知らせる事が目的ですから、食事や年収など分かりやすい部分をクロースアップするのは、テレビ局として正しい姿勢なのでしょう。

余談ですが、Switchでは「棋士・藤井聡太の将棋トレーニング」という将棋のイロハを学べるソフトが発売されています。将棋のトレーニングソフトとして中々完成度も高いので、興味のある方は一度プレイしてみる事をオススメします。
https://www.sho-tore.jp/

閑話休題

このように、特定の分野を知らない人にその面白さを伝えるのは極めて難しい事であり、それはゲーム業界にも当てはまると思います。ソニーとマイクロソフトは、今年末に次世代機PS5とXboxSXの発売を予定していますが、その魅力はゲームマニア以外には届いていない気がします。

確かに、画面を見ればグラフィックが綺麗である事は多くの人が実感しますが、それが現行のPS4やXboxOneとどれだけ違うのか、区別出来る人はあまりいないと思われます。描画が4K60フレームだとか、ハード互換のアップコンバートで過去作の画質が上がるとか、レイトレーシングで光の表現が進化するとか、そんな点ばかりアピールするのは、将棋を知らない人に藤井二冠の一手一手を説明するに等しい行為ではないでしょうか。

実際、先日公開されたPS5の解説動画は、正にこの的外れなアピール方法だと感じます。


「触れた物の感触がその手に感じられる(ハプティックフィードバック)」「まるでそこにいるかのように音が聞こえる(3Dオーディオ)」「指先に伝わる力までリアルに(アダプティブトリガー)」なんて言われたところで、一体どれだけの人がその機能を理解出来るでしょうか。これがマニアをターゲットにしているならばともかく、ソニーがPS5を広く一般層に売りたいのであれば、宣伝方法を間違っているとしか言いようがありません。

ちなみに、以下は任天堂が2016年にSwitchを初披露した際の動画です。


ハードの仕様を説明する文字や音声は一切無いにも関わらず、Switchがどういうゲーム機なのかが一目で分かる素晴らしい動画になっていると感じます。このようにコンセプトが明確ならば、ゲームに詳しくない人にもSwitchの魅力をアピールしやすいでしょう。

ゲーム業界は、一般人へのアピールが下手な会社が多いという印象があります。家庭用ゲーム市場が世界的に縮小している中で、ソニーやマイクロソフトが次世代機を普及させたいのであれば、ゲームを知らない人にゲームの魅力を伝える方法を、もっと考えるべきではないでしょうか。

ゲームが買えないゲーム屋
最近の日本ゲーム市場では、ちょっとした異常事態が起きています。家電量販店やゲームショップなどでゲーム機がほとんど陳列されていないのです。現行のゲームハードは、Switch(ノーマル・Lite)、PS4(Slim・Pro)、XboxOne(S・X)がありますが、これらはいずれも入手が難しい状況になっています。


Switchが品薄な理由は、需要がムチャクチャ高い事です。新型コロナの影響で、春頃のSwitchは極度の供給不足に陥りましたが、夏に入って生産体制はほぼ元通りに回復し、今では毎週10万台前後が出荷されています。ですが、あつまれどうぶつの森の大ヒットで需要が供給を大きく上回っており、週に10万台程度ではまるで足りていないのが実情です。本体の値下げ・ビッグタイトルの発売・年末商戦といった特別な事情が無いにも関わらず、平時で毎週10万台以上売れると言うのは、2006年のDSLiteを彷彿とさせる勢いを感じます。

そのため、家電量販店などでは店頭にSwitchが並ぶ事はほぼ無く、不定期な抽選販売形式が主流となっています。ピーク時は抽選倍率が100倍を超える場合もありましたが、最近は10~20倍のケースが多くなっているようです。やや落ち着きを取り戻しつつあるものの、依然としてSwitchが入手困難である状況は変わっていません。今後もしばらく供給不足が続くならば、2020年のSwitchは年間通してずっと品薄という事もありそうです。


そして、最近はPS4も入手困難となっています。しかしこれは、Switchと違って人気が高いゆえの品薄ではありません。2020年に入ってから、PS4の週間販売台数はほとんど4桁が続いており、ファミ通集計の7月20日~7月26日は1434台という最低記録を更新しています(同週のSwitchの販売台数は12万5231台)。これだけ売れていないにも関わらず、店頭でPS4は品切れが相次いでいます。ヤフオクやメルカリなどでは、新品のPS4本体は定価よりおよそ1万円高い値段で取引がされています。

ネット上では、PS4の生産は既に終了しているという噂が流れています。ソニーは今年末に発売するPS5について、初期から世界全体で1000万台の出荷を予定しているため、PS4の生産ラインを既にストップしてその分をPS5に回していると予想されています。ソニーから正式なアナウンスはされてないものの、この極度の品薄状況を見る限り、PS4の出荷がほとんどされていない事は間違いないでしょう。Switchの品薄はいずれ解消されるはずですが、PS4がこれ以上生産されないのであれば、今後はSwitch以上に入手が困難になる可能性も考えられます。ただ、PS4は抽選販売しているお店が全く無い事を踏まえると、想像以上に需要も少ないのかもしれません。


XboxOneが店頭に並んでいないのは、今に始まった事では無く、発売直後からずっとです。日本のゲーム販売店の大多数は、最初からXboxOneを取り扱っていないのです。

日本のXboxシリーズは、初代が累計約50万台、後継機360が約160万台で、いずれもまともな市場を形成する事は出来ませんでした。その惨状はXboxOneで一層酷くなり、6年間の累計販売台数はわずか11万台となっています。累計でもSwitchの1週間にすら及ばない売上のゲームハードを、まともに仕入れてくれる小売なんてありません。ですから、XboxOneを店頭で購入する事は容易ではないのです。


なお、海外ではPS4もXboxOneもそれなりに売れているため、店頭では在庫が充分あるという話です(日本でPS4の出荷が少ないのはソニーが日本を軽視しているだけという口コミもあります)。ゆえに、現在ゲーム取扱店にハードが全然売っていないのは、日本特有の状況のようです(Switchの品薄は世界共通です)。


これらをまとめると、以下のようになります。

Switch:供給は多いがそれ以上に需要が多いので品薄
PS4:需要は少ないが供給が更に少ないので品薄
XboxOne:そもそもお店が入荷しないので品薄

といった具合に、それぞれ理由に違いはあるものの、いずれのハードも入手は困難です。この歪な状況は、一刻も早い改善が求められます。ゲーム市場は次々と新規ユーザーを獲得していかなければ、先細りが避けられません。にも関わらず、わざわざお店まで足を運んでくれた客に対して、売れるゲーム機が一切無い(一応、前世代機の3DSは売ってますが)というのは、折角の市場拡大のチャンスを逃す、大きな失態と言わざるを得ません。

おそらく、PS5の発売でPSの品薄は解消されると思われますが、PS5自体の期待値が低いので、売上増加にはあまり繋がらない気がします。マイクロソフトも、年末に次世代機XboxSXを発売しますが、これまで以上に入荷するお店は少なくなりそうです。結局のところ、Switchの品薄が解消されない限り、日本のゲーム市場はまともに機能しないままかもしれません。

2019年の日本家庭用ゲーム市場規模は3330億円 前年比マイナス176億円
CESA(一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会)は、2019年の日本家庭用ゲーム市場規模を発表しました。ハードは1673億円、ソフトは1657億円、合計3330億円で、いずれも2018年を下回る結果となっています。
https://www.cesa.or.jp/information/release/202007270945.html

以下のグラフは、CESAが集計を開始した1996年以降の、日本家庭用ゲーム市場規模の推移です。
game_kibo_96-19.png

グラフを見れば一目瞭然ですが、近年の家庭用ゲーム市場は大幅な右肩下がりが続いています。2019年の実績は2015・16年よりはマシなものの、歴代ワースト3位という深刻な事態です。DSやWiiが大ヒットしていた2006~2007年頃と比較すると、現在の市場規模は半分以下です。わずか10年程度で市場規模が半減するゲーム業界は相当ヤバイとしか言いようがありません。

近年はSwitchが好調に売れ続けていますが、市場規模は落ち込んだままです。これは任天堂ハードが一つに統一された事、そしてPS市場が急激に縮小している事が大きな原因と考えられます。

これまでの任天堂ハードは「DSとWii」「3DSとWiiU」といった具合に、携帯機と据え置き機の2ハードで展開されていましたが、現在はSwitchのみです。そしてPSは、Vitaの撤退で携帯機市場が無くなりましたし、PS4はPS5の発売を前に既に死んでいます。つまり、以前の日本市場は任天堂+ソニーで4ハード存在していたところが、近年はほぼSwitch一つだけになっているという事です。いくらSwitchの売上が好調であっても、流石に3ハード分のマイナスを補う事は難しいです。

ちなみに、今年末に発売が予定されているソニーのPS5は、本体価格が高いと予想されているうえ、有力ソフトも不足しており、販売は相当苦戦する可能性が高いです。同じく今年発売となるマイクロソフトのXboxSXも、日本ではさっぱり売れる見込みがありません。結局のところ、日本は今後もしばらくSwitchオンリーの市場になりそうです。

なお上記グラフの通り、2019年のソフト市場規模は1657億円で過去最低を記録しています。大多数のサードパーティーが、勢いよく売れているSwitchで主力ソフトを発売せずに、売れていないPS4に注力するという愚かな戦略を行っている事が、過去最低を更新した原因です。

この市場規模の落ち込みを見て、サードパーティーは危機感を覚えないのでしょうか。PSへの偏重が、近年のゲーム市場の衰退を招いている事は明らかです。おそらく、PS5の普及はPS4を大きく下回る事になりますが、それでもサードパーティーはPSに肩入れし続けるつもりでしょうか。サードパーティー(というかソニー)がゲーム業界の未来を真剣に考えない限り、市場規模は更に壊滅的な状況にまで落ち込みそうです。

パワプロ2020 SwitchがPS4を上回る PSマルチの崩壊 
ファミ通は、2020年7月6日~7月12日のソフト週間販売ランキングを発表しました。1位は94876本を販売した、Switch版のパワプロ2020、2位は同作のPS4版で91547本となっています。
https://www.famitsu.com/news/202007/16202343.html

累計でPS4<Switchになるマルチタイトルはそれ程珍しくありませんが、コナミの主力タイトルであるパワプロが初週からSwitch版が上回ったというのは、中々衝撃的な出来事です。パワプロは元々任天堂のスーパーファミコンで発売され、その後もしばらくはニンテンドウ64で展開されてきました。ですがゲーム市場の勢力変化に伴って、以降はソニーのPSがメインハードとなりました。そのため、任天堂ハードでは2008年にWiiで発売されたパワプロ15を最後に、ナンバリング作は展開されなくなっていました(外伝的な作品はいくつかあります)。

このように、パワプロは10年以上ほぼPS独占だったタイトルであり、最近の任天堂ユーザーにとってあまり馴染みのない存在です。そんなパワプロですらSwitch版の方が売れたというのは、Switchの勢いのすごさと、PS市場が衰退している現状が改めて浮き彫りになったと感じます。しかもPSハードは初動率が高く、2週目以降の売上があまり伸びない傾向がある事を踏まえると、累計ではSwitch版が2倍近く上回ると推測されます。

ゲーム業界では「任天堂ハードではサードパーティーソフトは売れない」という主張をよく目にします。ですがこれは、任天堂ハードでは開発に手を抜いたり、外伝的な作品でお茶を濁したりなど、サードパーティーのやる気の無さが大きな原因と考えられます。事実、パワプロのように真面目にクオリティの高いソフトを作れば、Switchでもサードパーティーは成功出来るのです。むしろ、1400万台も売れて未だに品薄になっている程に勢いのあるSwitchでヒット作を生み出せないメーカーは無能としか思えません。

理由はどうあれ、これまでサードパーティーが任天堂ハードへのソフト展開が積極的で無かったのは確かです。しかしパワプロのように、PS4版よりSwitch版の方が売れる作品が増えてくると、今後はサードパーティーもSwitch市場を無視出来なくなるでしょう。今年末にはPS4の後継機となるPS5の発売が予定されていますが、PSハードの普及スピードは極めて遅いので、Switchも含めたマルチ展開は不可欠になると思われます。サードパーティーのソフトが増える事で、Switch市場は更に勢い付く事になる一方、これまでサードに依存してきたPSは、Switchにユーザーを奪われかなり厳しい状況に追い込まれる事になりそうです。

実際、パワプロユーザーはPS4からSwitchへの移行が見受けられます。以下は前作パワプロ2018との初週販売本数の比較表です(近年は2年毎の発売なので2019は存在しません)。
パワプロ2018・2020 初週販売本数比較(万本)
PS4VitaSwitch合計
パワプロ201813.45.8未発売19.2
パワプロ20209.2未発売9.518.6

初週の合計は、2018・2020のどちらも19万本前後で大差はありません。ですが内訳を見ると、2018でVita版を購入していたユーザーの大半が、2020はSwitch版を選択し、尚且つ前作でPS4版を購入していたユーザーの3割程度がSwitch版に移行したと考えられます。多くのゲームユーザーにとっては、グラフィックが綺麗な事よりも、どこでも持ち運んで気軽に遊べる点が重要なのでしょう。

これまでの任天堂ハードは、ライバルハードと比較してグラフィック性能が低かった事、またDSの二画面タッチパネルやWiiリモコンの直感的な操作性など独自のデバイスを採用していたために、マルチタイトルの対象から外される場合が多かったです。そして、日本のXboxは壊滅的に売れていないです。こうした事情から、サードパーティーのマルチタイトルは、PS2・PSP・PS3・Vita・PS4の組み合わせになる場合が多く、つまりソニーにとって「マルチ=PS独占」に近い状況だったと言えます。

それが今後のマルチタイトルは、売上の半分以上をSwitchに奪われていく可能性が高いです。任天堂ならば、最悪サードパーティーがいなくても一社で頑張っていけるだけの実力がありますが、自力でハードを普及させる能力の無いソニーにとって、サードの売上が半減する事は死活問題となります。ソニー自身のソフトは魅力が無い、サードソフトは他ハードでも遊べるとなると、最早PSを買う意味は無いのかもしれません。



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