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ゲーム業界についての様々な情報を掲載しています
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ニュース 2020年1月 4週目
1月22日
バンダイナムコ 「キャプテン翼 RISE OF NEW CHAMPIONS」10年ぶりの家庭用新作発表 Switch & PS4
https://captaintsubasa-csgame.bn-ent.net/

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Switchは負け要素の集合体である
2019年の家庭用ゲーム市場はSwitchが大きく牽引しました。ファミ通の集計データによると、2019年のSwitchの年間販売台数はおよそ450万台で、これは2017年(340万台)、2018年(350万台)と比較して100万台以上の増加となっています。この数字は、日本のゲーム業界において歴代5位(据え置き機では1位)の好記録です。

ハード別 年間販売台数ランキング(日本)
順位ハードメーカー販売台数
1DS任天堂2006890万台
2DS任天堂2007715万台
33DS任天堂2012560万台
43DS任天堂2013490万台
5Switch任天堂2019450万台

1位のDS(2006年)はモデルチェンジしたDSLiteが発売された年で、商戦期でない平時でも毎週20万台程度売れていた、お化けハードでした。このDSはさすがに別格ですが、Switchは歴代のゲーム機の中でもトップクラスのペースで普及している事が分かります。なお6~10位までも全て任天堂ハードで、ソニーは11位のPS2(2000年:375万台)が最高記録です。

Switchはソフト販売も好調で、既に100万本以上を販売しているタイトルが9作あります(その内マインクラフトを除いた8作が任天堂)。2020年1月19日時点での、ファミ通集計によるSwitchの任天堂ミリオンタイトル及び販売本数は以下の通りです。特例として、3月に発売が予定されている「あつまれ どうぶつの森」もいずれランクインする事は確実なので、フライングで記載しています。

Switchソフト 累計販売本数ランキング(日本)
順位タイトル累計販売本数
1大乱闘スマッシュブラザーズ SP352万本
2ポケモン ソード/シールド331万本
3スプラトゥーン2329万本
4マリオカート8 DX273万本
5スーパーマリオ オデッセイ206万本
6ポケモン ピカチュウ/イーブイ169万本
7ゼルダの伝説 BoW150万本
8スーパーマリオパーティー131万本
?あつまれ どうぶつの森???

個人的に、上記タイトルには大きな共通点があると感じています。それは大半が「負け」からのスタートだったという事です。

まず1位の「大乱闘スマッシュブラザーズ スペシャル」は、シリーズの初代がニンテンドウ64で発売されています。ニンテンドウ64は、ライバルハードであるソニーのPSとの普及対決に破れ、任天堂としては初の負けハードとしてのポジションになっていました。初代スマブラの出荷数は197万本(64ソフトで2位)と、負けハードでの展開という点を考慮すれば充分な結果ですが、任天堂はファミコンやスーパーファミコン時代には300万本以上を販売したソフトがいくつもありましたから、それに比べると物足りない数字です。そんな任天堂冬の時代に発売されたスマブラが、Switchでは最も売れたソフトとして市場を牽引しているのです。

そして今後ランクインするであろう「あつまれ どうぶつの森」も、初代がニンテンドウ64で発売されたタイトルです。64時代のどうぶつの森は、販売本数わずか30万本程度と、あまり人気が高くはありませんでした。しかし後にDSで発売された「おいでよ どうぶつの森」は、累計500万本以上を販売する大ヒットを記録、そして3DSで発売された続編の「とびだせ どうぶつの森」も、売上は450万本を超えています。どうぶつの森は通信で友達と一緒に楽しめる点が特徴であり、その仕組みが携帯機にマッチしていた事で、人気が爆発したのです。現在ではマリオやポケモンと並んで、任天堂で最大級の売上が期待出来るソフトブランドになっています。

また5位の「スーパーマリオオデッセイ」も、3Dマリオという括りで言うならば、ニンテンドウ64で発売された「スーパーマリオ64」が起源です。マリオシリーズで人気が高いのは、横スクロールの2Dマリオであり、それに比べて3Dマリオはあまり人気が無い傾向があります。ですがSwitchのマリオオデッセイは、3Dとして歴代最高の200万本以上を販売しているのです。

7位のゼルダについても、初の3D作品である「時のオカリナ」はニンテンドウ64で発売されています。「ゼルダBoW」は歴代でも最高クラスの完成度であるという評判が多く、初期のSwitch市場を大きく牽引しました。ダウンロード版の売上も含めると、ゼルダシリーズで最高の販売本数となっています。

3位の「スプラトゥ-ン2」は、WiiUで生まれたシリーズです。WiiUは歴代の任天堂で最もコケたハード(正確にはバーチャルボーイ)であり、累計販売台数はわずか330万台と、セガのドリームキャスト(280万台)と同レベルの失敗に終わっています。初代スプラトゥ-ンは150万本(装着率45%)という驚異的な売上を記録しましたが、それでもWiiU市場を復活させるには至りませんでした。一方、Switchで発売されたスプラトゥーン2は、前作の2倍以上となる329万本を売上げています。

4位の「マリオカート8DX」は、WiiUで発売されたマリオカート8をベースに、いくつかの新要素を追加したバージョンアップ版です。少々強引な解釈をするならば、これも負け時代のソフト資産を流用したタイトルと言えるでしょう。WiiU版の販売本数が130万なので、DXでは売上が2倍以上に増えています。

そして2位と6位のポケットモンスターは、初代の赤/緑がゲームボーイで発売されました。ゲームボーイは、ライバルセガのゲームギアを圧倒した勝ちハードです。しかしゲームボーイ本体は1989年発売で、初代ポケモンが出た1996年には既に末期を迎えており、ソフト発売数は大きく減少していました。そんな中で発売されたポケモン赤/緑は、友達との対戦や交換によるコミュニケーションツールとして広まり、また翌年にアニメ放送が開始され人気が加速しました。ポケモン赤/緑は数年掛けて売上を伸ばし、2色合算した累計販売本数は800万本以上という、日本のゲーム市場最高のソフト売上を記録しました。ポケモンの成功によって、ゲームボーイ市場は再び活気を取り戻し、ポケット・ライト・カラーなどハードのマイナーチェンジ版も発売された事で、2003年までソフトが発売される程に寿命が延びたのです。

ゲームボーイソフト年別発売数
発売タイトル数
198925(ゲームボーイ発売)
1990118
1991110
1992115
199381
199493
199558
199641(ポケモン赤/緑発売)
199755
1998100
1999147
2000175
2001112(後継機GBA発売)
200214
20032

ちなみにポケモン ソード/シールドは、ファミ通の週間ソフト販売ランキングで9週連続1位を獲得という新記録を樹立しています(これまでの最高はDSの「ポケモン ダイヤモンド/パール」の8週)。これだけ長期間1位を獲得し続けたのは、他に有力ソフトが発売されていなかった事も影響していますが、ポケモンの人気が未だ衰えていないというのが大きな理由でしょう。

これらをまとめると、以下のようになります。

タイトル初代の発売ハードSwitchでの実績
大乱闘スマッシュブラザーズ SPニンテンドウ64シリーズ最高販売本数
ポケモン ソード/シールド衰退していたGB連続週販1位の新記録
スプラトゥーン2WiiUシリーズ最高販売本数
マリオカート8 DX(WiiU版のマイナーチェンジ)WiiU版の2倍の販売本数
マリオオデッセイニンテンドウ64(3D)3Dマリオ最高販売本数
ポケモン ピカチュウ/イーブイ衰退していたGB
ゼルダの伝説 BoWニンテンドウ64(3D)シリーズ最高販売本数
スーパーマリオパーティーニンテンドウ64
あつまれ どうぶつの森ニンテンドウ64???

こうして見ると、Switchで売れているのは、任天堂が上手くいっていなかった時代に発売されたタイトルの関連作が大半という事が分かります。新規タイトルの立ち上げに躓いても、すぐに諦めてしまうのではなく、ダメだった点を分析し、より面白くなるように改良を重ね、2作目・3作目と繋げていく事で、任天堂は成功しているのです。

こうした戦略は、任天堂以外のメーカーではまず真似出来ない事です。多くのサードパーティーは、新規作が上手くいかなかった場合にあっさりと切り捨てる傾向がある(面白く改善するアイデア・能力が無い)ので、中々ブランドが育たないという問題を抱えています(サードパーティーはソフトを発売するハードを選択出来るので、そもそも負けハードに突っ込むケースが少ないですが)。唯一任天堂に近い事例は、PSPで大ヒットしたカプコンのモンスターハンターです。とはいえ、初代のモンハンはPS2で発売されていたので、少々事情は異なります。

むしろ、任天堂は64・ゲームキューブ・WiiUなどの失敗を経験しているからこそ、その反省を踏まえて強くなっていると考えられます。追い詰められる程に強化されるというのは、漫画「ドラゴンボール」に登場する戦闘民族サイヤ人を彷彿とさせます(サイヤ人は戦いで死にかけた後に体力が回復すると戦闘力が大きく上昇するという特性があります)。一度や二度失敗しても、次でまた成功出来るチャンスがあると考えるならば、ゲーム業界における任天堂は不死身なのかもしれません

更に言うと、Switchというゲーム機自体が大失敗したWiiUのコンセプトを受け継いだ存在です。WiiUは専用コントローラのゲームパッドで半分携帯機のように使えましたが、無線通信の距離が短いため本体からあまり遠くに持ち運べないという、極めて中途半端な仕様でした。このWiiUの反省を活かし、Switchは据え置き機と携帯機の両方で遊べるというユニークなハードになったのです。

つまりSwitchは任天堂の歴代の負け要素の集合体であると考えられます。それで据え置きゲーム機として歴代最速のペースで売れているというのは、非常に興味深いです。

一方、ライバルであるソニーはどうでしょうか。PS1時代には、幅広いユーザー層に受け入れられた人気タイトルが数多くありましたが、ソニーはこの25年間でそれらソフトブランドを次々と壊してきました。「どこでもいっしょ」「ぼくのなつやすみ」「アークザラッド」「ワイルドアームズ」「サルゲッチュ」「クラッシュ・バンディクー」「XI」「IQ」「パラッパラッパー」etc…。かろうじて生き残っているのは「みんなのGOLF」と「グランツーリスモ」ぐらいでしょうか(これも売上は激減してますが)。任天堂と違い、自社ソフトでハードを牽引する能力の無いソニーは、次世代機PS5の立ち上げに相当苦戦する事は間違いありません。

「死んでいたタイトルも復活・ヒットさせる任天堂」「ヒット作をことごとく潰すソニー」、同じハードメーカーでもやっている事はこれだけ真逆というのは、ゲーム業界の面白いところですね。

ニュース 2020年1月 3週目
1月14日
任天堂 「SUPER NINTENDO WORLD」新情報公開
https://www.usj.co.jp/nintendo/

1月14日
miHoYo 「原神」のSwitch版を発表 ゼルダのパクリがPS4のみならずSwitchでも!
https://genshin.mihoyo.com/switch/#/

1月14日
スク・エニ 「ファイナルファンタジー7 リメイク」発売延期 3月3日→4月10日に
https://www.jp.square-enix.com/ffvii_remake/

任天堂の躍進とソニーの没落
2019年の家庭用ゲーム市場は、任天堂のSwitchが年間約450万台(前年比+29%)の爆発的な売上を記録した一方、ソニーのPS4は約120万台(前年比-29%)と、売れ行きが激減しました。ファミ通のデータによると、2019年の家庭用ゲームハードの占有率は以下の通りです。

任天堂79.0%(Switch:75.8%/3DS:3.2%)
ソニー20.7%(PS4:20.1%/Vita:0.6%)
マイクロソフト0.1%

任天堂の全盛期だったDS・Wii時代でも占有率は70%程度であり、2019年は過去最高の比率になっています。ソフト市場についても、年間売上TOP10はポケモン剣・盾やスマブラSPなど9タイトルがSwitchで、PS4でランクインしているのはキングダムハーツ3の一作だけです。こうした状況を見る限り、日本の家庭用ゲーム市場は、もう完全にSwitch一強になっていると言えます。

しかも恐ろしい事に、2020年は任天堂の比率が更に上がるのはほぼ確実です。ソニーは2020年末にPS5の発売を予定しており、その直前に前世代機を買う人は極めて稀なので、今年のPS4市場は限りなく縮小する事になるでしょう。ちなみに、PS4の発売時はアメリカやヨーロッパが優先され、日本での発売は3ヶ月遅れでした。次世代機PS5でも日本が後回しになる可能性は高く、つまり発売が2021年以降になる事も考えられます。最悪の場合、年末にPS5でシェアを挽回するというチャンスすら無いかもしれないのです。これらを加味すると、2020年は任天堂のシェアが90%近くになると推測されます。

ですがこれだけ情勢が決まった現在でも、多くのサードパーティーは何故かPSに注力しています。市場のおよそ8割を占めるハードを軽視し、2割しかないハードで勝負するというのは、あまりにも意味不明な戦略です。家庭用ゲーム市場が縮小しているのは、ゲームメーカーの愚かさが大きな原因と言えるでしょう。

日本では壊滅的なPS4ですが、海外では好調な売れ行きを見せており、ソニーの発表では世界累計販売台数は1億台を突破しているという事です。とはいえ、以前にも当ブログで指摘した通り、1億台というのは疑惑の数字です。世界各国の主要なゲームデータ調査機関の数字を合計しても、PS4の世界全体の販売数は7000万台程度にしかなりません。つまり3000万台以上が、謎の国で売れている計算になります。ソニーはPS4を世界120ヶ国で販売していると発表していますが、その詳細は不明であり、Wikipediaを確認しても60カ国までしか記載されていないです。そもそも、以前のソニーは生産出荷で数字を大きく水増ししていたわけですから、そんな会社が発表する数字を鵜呑みにすべきではないでしょう。

仮に1億台が正しい数字だったとしても、販売ペースではSwitchが既に上回っています。PS4が世界5000万台を達成したのは発売から3年1ヶ月後でしたが、Switchは2019年末で5000万台に到達したと試算されているので、2年10ヶ月です。確かに現時点ではまだPS4の方が普及台数は多いですが、世界全体で既にSwitchが主流になりつつあるのです。


PS市場が衰退している大きな理由は、これまでユーザー層の拡大を行ってこなかった事です。PSハードはハイティーン~30代ぐらいまでの男性がメインターゲットですが、それが失敗の原因でもあります。

中高生になると、任天堂ハードを子供っぽく感じて、PSを選ぶユーザーが増える傾向があります。ですが、中高生はあまりお金がありませんし、誕生日やクリスマスにゲームを買ってもらうのも卒業するような時期です。つまり中高生は、購買力の低いユーザーと言えます。実際、PS本体はかなり値下げされるまで売上は伸びませんし、ソフトは中古での売買が活発です。ちなみに中古でゲームが売れても、ソフトメーカーには1円もお金は入りません。

そして20代・30代になると、多くの人は就職や結婚などで忙しくなり、ゲームで遊べる時間は減ります。大人になってもゲームに熱中するのは一部のマニアだけであり、そんな少ないユーザー層を狙った戦略では市場が拡大するはずがありません。しかも子供が出来ると、その子供は大抵任天堂ハードを選択するので、親も一緒にPSから離れていく可能性が高いです。このようにPSが狙っている(結果的にそうなっている)のは、極めてピンポイントなユーザー層なのです。

一方の任天堂のターゲットは老若男女問いません。ポケモン・どうぶつの森・脳トレなど、任天堂は子供や女性、あるいは高齢者にもアピール出来るソフトを数多く発売してきました。日本は少子化が続いているものの、ゲーム業界の主要層は今でも子供です。また言うまでもなく、世の中の半数は女性です。任天堂は幅広いユーザー層を獲得し続けてきたからこそ、スマホゲーム全盛の時代でも、家庭用ゲーム市場で活躍出来ているのです。子供や女性を軽視する、PSがゲーム市場をリードなど出来るはずがありません。

かつてソニーの宣伝担当だった佐伯雅司氏は、PSPが発売された際のインタビューで「PSPの最初の購入者は大人 ニンテンドーDSはお子ちゃま」と子供をバカにするような発言をしていました。こうしたソニーの体質が、現在のPS没落に表れているのは皮肉なものです。

ゲーム業界に限らず、新規層を獲得出来ない市場は確実に衰退します。そして現時点で発表されている情報を見る限り、PS5も新規層にアピール出来る内容にはなっていません。PSが史上最弱になっている2020年、家庭用ゲーム市場の主役は依然として任天堂のままでしょう。

ニュース 2020年1月 1・2週目
1月7日
ソニー PS5のロゴ発表
参考:https://www.4gamer.net/games/990/G999027/20200107001/

1月8日
Dell ゲーミング小型PC「Concept UFO」を発表 Switchの丸パクリ
参考:https://www.4gamer.net/games/092/G009238/20200108077/

1月9日
株式会社ポケモン ポケモン剣/盾のダウンロードコンテンツ「エキスパンションパス」発表
https://www.pokemon.co.jp/ex/sword_shield_expansion/

2019年のゲーム業界 個人的まとめ
2019年のゲーム業界も色々ありました。そのまとめとして、個人的に印象深かった出来事を10個チョイスしました。

・Switchの大躍進とPSの衰退
2019年のSwitchは、ハードとソフト共に大きく売上げを伸ばしました。一方で、PS4市場は急激な縮小となっています。電撃(KADOKAWA)の調査データによると、2019年の家庭用ゲーム市場規模は、ハードが5.5%減の1718億円、ソフトが8.6%減の1704億円で、全体では7.1%減の3422億円という事です。Switchは好調に推移したものの、それ以上にPS4の減少が大きく、全体としては市場規模が縮小しているのです。
https://dengekionline.com/articles/22931/

・「プレイステーション5」発表
ソニーは次世代機PS5を2020年末に発売する事を発表しました。しかし、PS4が大きく勢いを落としている現状では、PS5のスタートも相当厳しくなる事が予測されます。なお、ライバルであるマイクロソフトも、2020年末にXboxOneの後継機「Xbox Series X」の発売を予定しています。現時点でリークされている情報から推測すると、PS5は次世代Xboxより性能が劣っている上に本体価格も高いという、絶望的な状況です(あくまでも噂レベルの話ですが)。果たして、PS5が成功出来る可能性はあるのでしょうか…。

・Googleの「Stadia」大失敗
2019年、Googleがストリーミングゲームサービス「Stadia」でスマホゲーム市場に参入しました。世界有数の巨大企業がゲーム市場に参入する事で、任天堂やソニーなど家庭用ゲーム市場は大きく衰退するという声も多く聞かれました。ですが蓋を開けてみれば、ソフトラインアップは不充分で、通信の遅延も多発してゲームにならないなど、多くの問題点があったために、世界全体でもさっぱり普及していません。なお、アップルも同種のゲームサービスを開始していますが、こちらも成功には至っていません。ゲーム業界で成功するには、如何に魅力的なソフトが重要であるかという点を再確認しました。

・「ドラクエウォーク」のヒット
ポケモンGOの大ヒットを受けて開発された、スクエニのドラクエウォーク。個人的には、最初は多くのユーザーが遊ぶがすぐに飽きられると予想していました。ですが実際には、配信開始から1ヶ月以上もセルランのトップをほぼ維持し続けるという、筆者の予想を大きく超えるヒットとなりました。とはいえ、2019年末頃から勢いが急落し、ほとんど話題に上る事も無くなりました。確かにピーク時の勢いはすごかったと感じますが、ブームは短期的に終わるという筆者の予想は概ね当たっていたように思います。

・「ハリポタGO」 大コケ
ドラクエウォークの大きなライバルになるのではと予想していた、ハリーポッター魔法同盟(通称ハリポタGO)は、びっくりする程話題にならずに消えていきました。ハリーポッターという作品は世界的に人気が高いのに、そのゲームは全く見向きもされないという結果に、ゲーム業界で成功する難しさを感じました。

・「モンハンアイスボーン」の売上 ワールドから大幅減少
カプコンの代表作モンハンは、日本では人気が高かったものの、これまで海外ではあまり売れていませんでした。しかし2018年にPS4などで発売されたモンハンワールドは、世界で1500万本以上を販売する大ヒット作となり、カプコンの業績は大きく伸びました。2019年には、その拡張版であるアイスボーンが発売されましたが、こちらは世界全体の出荷数が280万本程度で、ワールドから大きく売上げを落としました。拡張ディスクという性質を考えると売上が落ちるのは当然ですが、1000万本以上の減少は衝撃的です。そもそもモンハンワールドの売上には疑惑があり、ソニーが一定数を買い取る事で売上を水増ししているのではないかという噂もあります。日本での大多数のユーザーを切り捨ててまで、海外市場を狙ったカプコンの戦略は、果たして正しかったのでしょうか?

・Switch中国進出
任天堂は中国のゲーム会社テンセントと提携し、Switchの中国進出を果たしました。中国は世界最大の人口を誇る国であり、上手くいけば売上が大きく伸びるチャンスがあります。一方で、中国は海賊版が横行しているために正規のソフトが売れにくいという問題もあります。中国展開が今後の任天堂の業績にどのような影響を与えるか、注目です。

・シェンムー3 爆死
かつて、セガがドリームキャストで発売したソフト「シェンムー」は、当時としては異例の70億円という大規模な開発費が掛けられており、最も開発費の高いゲームソフトとしてギネス登録もされました。そんなシェンムーシリーズの最新作となる「シェンムー3」が、2015年のE3で発表されました。Kickstarterでの開発費支援募集は、ビデオゲーム部門で史上最高額となる633万3295ドル(約7.85億円)を記録するなど、世界中で大きな注目が集まっていました。しかし実際に発売されると、日本での初週売上はわずか1万8000本という酷い有様でした。ちなみに、2018年に発売された過去作のセット版「シェンムー1+2」は初週約2万本であり、旧作の移植より新作の売上が劣るという前代未聞の珍事となっています。

・Vita終了
ソニーの携帯ゲーム機「プレイステーション Vita」が、2019年末をもって生産終了となりました。ソニーはVitaの後継機の開発は行わないという話なので、ソニーの携帯機市場はこれで幕を閉じる事になります。前世代機PSPは、カプコンのモンハンの大ヒットによって、市場を大きく拡大しました。後継機Vitaもモンハンの発売が期待されていましたが、Vitaの発売前にモンハンが3DSへ移行する事が発表された事で、生まれる前から死んでいたという不遇のハードとなりました。

「年末年始に無料でやりこむPS4」
ソニーの強烈なサードパーティー潰し。こんな愚かな戦略を行うPS4が衰退するのは当然でしょう。
https://www.jp.playstation.com/blog/detail/9224/20191220-psstore-1.html



全体的にネガティブな内容が多くなってしまいましたが、ゲーム業界の現状を考えるとこうなるのも仕方ないでしょう。2020年のゲーム業界は、良いニュースが多くなる事を期待しています。

ニュース 2019-12-4
12月21日
スクウェア・エニックス ドラゴンクエスト-ダイの大冒険- ゲーム化&再アニメ化発表
参考:https://www.4gamer.net/games/310/G031065/20191223023/

12月27日
任天堂 Switch脳トレ発売
https://www.nintendo.co.jp/switch/as3ma/index.html


続・任天堂の業績予想
先週の記事で、今期から来期にかけての任天堂の業績は大きく伸びると推測しました。今回は、任天堂の業績が前回の予想を更に上回る可能性がある事について記述します。

任天堂の業績アップに繋がるであろう大きな要素は「ニンテンドーカタログチケット」です。これは今年5月16日から販売開始されたチケットで、簡単に言うとユーザーがSwitchのダウンロードソフトを安価に買えるという物です。



チケットは「ニンテンドーeショップ」もしくは「マイニンテンドーストア」から購入可能で、2枚セットで9980円です。チケット1枚に付き、任天堂のSwitch用ソフト(サードパーティータイトルは対象外)をどれでも1本ダウンロード出来ます。例えば「ゼルダの伝説BOW(定価7678円)」と「大乱闘スマブラSP(定価7920円」を購入する場合、普通に買えば合計15598円掛かりますが、カタログチケットを使えば9980円(5618円安い)で入手出来ます。このように、カタログチケットはおよそソフト1本分の代金が浮くという、極めてお得なサービスなのです。しかもカタログチケットは何度でも購入出来る(ストック出来るのは8枚まで)ので、ソフトを多く買うゲーマー程恩恵が大きくなります。

カタログチケットは、1枚だけでは販売されず、2枚セットになっている事がポイントです。どうしても欲しい1本だけでなく、買うかどうか迷っていた2番手3番手のソフトも売れやすくなるのは、非常に上手い販売戦略だと感じます。

ただしカタログチケットの購入は、ニンテンドースイッチオンライン加入者限定です。スイッチオンラインは、Switchのソフトでオンライン対戦などを行う際に加入が必須のサービスで、1ヶ月306円、12ヶ月セットなら2400円が掛かります。仮にSwitchでオンラインを利用するつもりが無いユーザーでも、カタログチケットを利用するために加入するという選択肢は充分考えられるでしょう。

任天堂はこれまでも、ゲームソフトのパッケージ版とダウンロード版の併売を行っていましたが、ダウンロード版の割合はおよそ10%と低めでした。パッケージ版と違い、ダウンロード版はROMの製造コストや小売・流通の取り分が不要なので、その分価格が安いのが通例です。実際、PSやXboxのダウンロード版は、パッケージ版よりも1割程度安くなっているケースが多いです。それに対し、任天堂ハードでは基本的にパッケージ版とダウンロード版は同じ価格に設定されています。これは「ゲームソフトの価値を下げない」「小売や流通を守る」という、任天堂の方針によるものです。価格によるメリットが無いため、これまでダウンロード版を選択するユーザーはあまり多くありませんでした。

しかしカタログチケット導入後、任天堂ソフトのダウンロード比率は大幅に上昇したという事です。任天堂の決算発表からの推計では「マリオメーカー2」や「FE風花雪月」の発売直後のダウンロード比率は約50%となっています(発売から時間が経つに連れダウンロード比率は下がる傾向があり、3ヶ月後には30%程度になっているとの事)。これまでのダウンロード比率が10%程度だった事を考えると、この伸び率は驚異的です。

そしてカタログチケットは、任天堂にとっても大きなメリットがあります。カタログチケットはソフトを安く買われるので、任天堂は損をすると思うかもしれませんが、ダウンロードソフトは利益率が極めて高いのです。パッケージソフトの場合、小売と流通の取り分が概ね50%弱あります。例えば7920円のスマブラSPのパッケージ版では、任天堂の粗利は4000円程度になります(ROMの製造費などもあるので儲けは更に少ない)。一方ダウンロードソフトの場合、これら小売や流通のコストが掛からないので、カタログチケット1枚分の値段4990円のほぼ全額が任天堂の粗利です(サーバー維持費は必要ですが)。よってソフト1本当たりの利益率は、20~30%も増加する事になります。

つまりカタログチケットは
・ユーザー=ソフトを安く買える
・任天堂=儲けが大きい

という、win-winの関係になっているのです。

一方、任天堂ソフトのダウンロード販売が増える事で、小売や流通は危機的状況に追い込まれるでしょう。まあ、任天堂は3DS&WiiU時代は赤字に苦しんでいましたし、いつまでも他社に気を使ってはいられないという事なのかもしれません。とはいえ、任天堂ソフトは子供へのプレゼント需要も高いので、パッケージソフトの販売がゼロになる事は考えにくいです(プレゼントがダウンロードソフトというケースは少ない)。ゆえに、今後もゲーム取扱店は何とか細々と生き残っていくのではないでしょうか。

ちなみに、もしライバル社であるソニーが同様のチケットを販売したとしても、上手くいく事は無いと思われます。PSソフトはすぐに値崩れする上、中古での出回りも多いため、チケットを使うよりも安く買えるからです。カタログチケットは、ソフトの値崩れが少なく、中古でも高めの価格を維持している、任天堂ハードだからこそ成立する仕組みと言えるでしょう。

このカタログチケット効果を踏まえると、今期から来期に掛けての任天堂の業績(特に営業利益)が大きく伸びる可能性は高いです。任天堂の業績のピークは、DSやWiiがヒットした2008年(売上高1兆8386億円/営業利益5552億円)ですが、2020年度はそれを上回る過去最高を記録出来るかもしれません。

ニュース 2019-12-3
12月17日
ソニー 「DUALSHOCK 4背面ボタンアタッチメント」を発表
https://www.jp.playstation.com/press-releases/2019/20191217/

任天堂の業績予想(後編)
前回、任天堂の業績がSwitch発売後に大きく回復している事について述べました。

nintendo-finance.png

そして3つの理由から、今後更に業績を伸ばしていくであろうと予想しました。その一つめの理由は前回書きしましたが、Switchは日本だけでなくアメリカやヨーロッパなど世界中で好調な売れ行きになっており、その勢いは昨年を大きく上回っている=今後更なる市場拡大が期待出来るという事でした。今回は、残り二つの理由について記述します。
前編はコチラ:任天堂の業績予想(前編)

任天堂が業績を伸ばすと予想している二つめの理由は、中国進出です。任天堂は今年の12月10日より、中国のゲーム会社テンセントと提携し、中国市場でのSwitch販売を開始しています。中国の人口はおよそ13億8000万人で、日本の10倍以上となる超巨大市場です。

しかしこれまで、任天堂・ソニー・マイクロソフトのハードメーカー3社は、いずれも中国で大きなマーケットを築く事は出来ていませんでした。中国では、青少年の精神に悪影響を与えるとして、2000年よりビデオゲーム機の製造と販売を禁止する措置がとられており、正規のルートで任天堂やソニーのゲーム機を売る事は許可されていませんでした(2014年から制限は緩和)。

そして中国市場は、著作権意識が低いために海賊版が横行しており、正規のパッケージソフトを販売する事は極めて困難という問題もあります。そのため、中国のゲーム市場は月額利用料などを確実に徴収出来る、パソコンやスマホゲームが99%を占めているのです。

また、中国ではコンテンツの検閲が厳しく、残虐描写などがあるゲームは販売が許可されません。例えば、海外で人気の高いジャンルであるFPSは、中国での販売は事実上不可能です。実際、カプコンの人気作「モンスター・ハンター・ワールド」は、中国での発売直後に多数の苦情を受けたために、販売差し止めになっています。

このように、中国でのゲーム販売は一筋縄ではいかない難しさがあります。とはいえ、任天堂が中国で成功出来る可能性は充分あると推測します。中国で海賊版が横行しているのは、国民の著作権意識が低い事もありますが、単純にお金が無いので、安価な海賊版に手を出すしかないという理由が大きいと思われます。ですが近年の中国は富裕層が増加傾向にあり、その数は1億人以上(日本の人口とほぼ同じ)とも言われています。富裕層が増えてくれば、必然的に正規品を買う人が多くなるので、中国でSwitchを販売していく事は不可能ではないでしょう。検閲についても、任天堂ソフトは過度な残虐描写はほぼありませんし、主力ソフトを中国で展開する事に問題はなさそうです。

なお中国でのSwitchは、1サイトで10万の予約(開始9時間で)があったという事で、その注目度は高いです。ただ、中国でSwitchを取り扱うサイトは2つしかないという話もあり、この数字だけでは人気を計るのは難しそうです。比較対象として、中国市場におけるソニーのPS4は、4年で100万台しか販売されていないという事なので、Switchはそれ以上の普及ペースになる可能性は高そうです。世界一の人口を誇る中国市場で、任天堂がSwitchを普及させる事が出来れば、業績は大きく伸びていくでしょう。


三つめの理由は、ゲーム事業以外の収益拡大です。任天堂は11月22日に、渋谷PARCOに「Nintendo TOKYO」をオープンしました。これは、スーパーマリオやゼルダの伝説など、任天堂のキャラクターグッズを販売する施設で、開店日には数時間待ちの行列が出来ていました。任天堂はディズニーに匹敵する程の、世界でも有数のキャラクターブランドを持っており、熱狂的なファンも数多いです。現在は東京のみですが、今後は大阪・名古屋・札幌・福岡など都市部にも展開していけば、より多くの客を呼び込めるようになるでしょう。

そして来年には、USJ内に任天堂のキャラクターや世界観を題材にしたテーマパーク「SUPER NINTENDO WORLD」がオープンします。繰り返しになりますが、任天堂のキャラクターブランドは世界でもトップクラスに人気が高く、そのテーマパークには大きな可能性を秘めています。2020年は東京オリンピックとの相乗効果で、世界中から大勢の客が詰め掛ける事が予想されます。

これまでの任天堂は、ゲーム事業以外の分野に消極的でしたが、今後はそのキャラクターブランドを活かした展開を行う事で、ゲーム開発以外の面でも売上を伸ばしていけると推測します。


以上をまとめると
理由1:Switchは世界的に人気が高まっている
理由2:中国進出で更なる市場拡大が狙える
理由3:ゲーム事業以外での収益も増える

という事で、来年以降も任天堂の業績は拡大していくのではないでしょうか。


これらを踏まえた上で、実際に任天堂の業績がどの程度になるのか、2019年度と2020年度の予測をしてみます。2019年度については、理由2と3は影響が少ない(期間が短い)と考えられるので、単純に現状のSwitchの勢いから判断するしかないでしょう。2019年度の上半期の数字は判明しているので、そこから下半期の売上を推測します。

任天堂の2018年度の上半期は、売上高3800億円、営業利益610億円でした。そして2018年下半期は、売上高8200億円、営業利益1890億円です。つまり前年度は売上高が「上半期30%:下半期70%」で、営業利益が「上半期:25%:下半期:75%」の比率になっていたという事です。2019年度も同様になると仮定すると、上半期の売上高が4440億円、営業利益が940億円なので、年間の売上高はおよそ1兆5000億円、営業利益は3800億円程度になると推測されます。

なお、2020年度の業績については大部分を予想(妄想)するしかありません。ハードを大きく牽引するには、多くの人にアピール出来る魅力的なソフトが不可欠ですが、現時点では2019年度末に発売される「あつまれどうぶつの森」以外のビッグタイトルは発表されていないのが懸念材料です。とはいえ、現在の任天堂はハードをSwitch一本に絞っているので、今後も多数のタイトルが発売されるはずで、ソフト不足に陥る心配は無いと思います。仮に、2020年度も今年度と同程度の比率で伸びるとすると、売上高は1兆8000億円、営業利益5700億円となり、DSやWiiのピーク時だった2008年度に迫る業績になります。

この予想が概ね正しいならば、任天堂の活躍によって、縮小の続く家庭用ゲーム市場の復活も狙えるかもしれません。



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