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ゲーム業界タブロイド
ゲーム業界についての様々な情報を掲載しています
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2020年上半期の家庭用ゲーム市場好調 2012年以降最大規模
ファミ通は、2020年上半期の日本家庭用ゲーム市場規模を発表しました。ハードは793.4億円(昨年比120.0%)、ソフトは954.7億円(昨年比129.0%)、合計で1748.1億円(昨年比124.8%)となっています。上半期の数字としては、2012年以降で最大であり、ハード・ソフトの両市場とも前年比プラスとなったのは、2006年以来14年ぶりとの事です。
https://www.famitsu.com/news/202007/09201925.html

参考として、CESAの調査による2018年までの家庭用ゲーム市場規模のグラフを載せておきます(2019年のデータは今月末頃発表される予定)。このグラフはあくまでもCESAのデータなので、ファミ通の数字とは若干の差がある事をご了承下さい。

game_kibo_96-18.png

ゲーム市場は年末商戦が最も盛り上がる時期である事、また今年は新ハードPS5とXboxSXが発売予定である点を踏まえると、上半期より下半期の方が高い数字になるのはほぼ確実です。おそらく、2020年はハード・ソフト共に2000億円程度で、合計4000億円規模になると思われます。上記グラフの通り、近年の家庭用ゲーム市場は大幅な縮小傾向にありましたが、2020年は多少なりとも改善される事になりそうです。

2020年の家庭用ゲーム市場が好調なのは、もちろん「Switch」及び「あつまれ どうぶつの森」の爆発的なヒットが大きな要因です。Switchは今年に入ってから長期的な品薄状態が続いており、店頭で見かける事はほとんど無く、ゲーム取扱店の多くで抽選販売の形式がとられています(倍率は概ね50~100倍)。発売から4年目でこれだけ長期間品薄になるのは、歴代のどのゲームハードでも無かった事態です。

そしてあつ森は、発売からわずか3ヶ月程度で累計500万本を突破しており、今後も更に売上を伸ばす事は間違いありません。本体が品薄の状況でこれだけの勢いがあるのですから、もし供給が充分ならば、あつ森は一体どれだけ売れていたのか、想像するのも恐ろしいです。2020年下半期のゲーム市場も、Switchとあつ森が大きくリードしていく事になるでしょう。


今年のSwitchの売れ行きの好調ぶりは、これまでの年間販売台数の推移を見ればよく分かります。2020年のSwitchは半年の時点で267万台を販売しており、年末商戦の盛り上がりを加味すると、年間では600万台程度になると推測されます。Switchは1・2年目がそれぞれ約350万台、3年目がおよそ450万台なので、4年目となる今年は過去最高を大幅に更新する可能性が高いです。

2017年:341万台
2018年:348万台
2019年:448万台
2020年:267万台(6月28日まで)
累計  :1405万台

DSやWiiなど、これまでの任天堂ハードは発売2~3年目がピークの場合が多く、それ以降は失速するという傾向がありました。自社ソフトが強力な任天堂は、ハード発売初期に主力タイトルを投入する事で好調なスタートダッシュを決められるという強みがあります。しかし、サードパーティーは任天堂ハードへ注力する事が少ないため、任天堂のソフトが出揃った後は急激に勢いを失うという弱点もあったのです。

一方、Switchのピークはおそらく4年目以降になるので、これまでよりもハードサイクルが長くなると思われます。Switchというハード自体の魅力、任天堂のソフト開発力の向上、そして新型コロナによる巣篭もり需要などが、こうした結果に繋がっていると考えられます。この様子だと、累計2000万台以上を達成出来る可能性は高そうです。

任天堂ハード 年別販売台数(万台)
1年目2年目3年目4年目5年目6年~累計
DS1104008867144037733286
Wii993632911981731521276
3DS4145634933152194502454
Switch341348448267↑??????1405↑
※DS・Wiiは12月、3DSは2月、Switchは3月発売です。1年目のデータは、この点も踏まえてご覧下さい。
※WiiUはどの年も売れていないので割愛しています(一応ピークは2年目)。

ちなみに、ソニーのPS4は今年で発売7年目ですが、年間200万台を超えた年は一度も無く、累計販売台数も919万台で後発のSwitchに500万台近くも引き離されています。特に今年は低調で、上半期の販売実績はわずか44万台と、品薄のSwitchのおよそ6分の1しか売れていないのです。


そんな2020年上半期のハード占有率は以下の通りです。
Switch:267万台:85%
PS4:44万台:14%
3DS:3万台:1%
XboxOne:0.3万台:0%

以前に当ブログで、2020年の任天堂のシェアは90%程度になると記述しましたが、その予想は概ね正しくなりそうです。最早PSはSwitchのライバルと呼べるような売上ではなく、むしろXboxに近い存在と言えるかもしれません。
ブログ内リンク:任天堂の躍進とソニーの没落

これだけPS市場が没落しているにも関わらず、2020年の家庭用ゲーム市場が昨年を上回る勢いになっているのは、それだけSwitchが好調であるという証左でしょう。PS市場がもう少しマシならば、家庭用ゲーム市場もここまで衰退する事は無かったのではないでしょうか。

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あつ森500万本超え! 歴代ソフトTOP10に
ファミ通は、任天堂のSwitchソフト「あつまれ どうぶつの森」の日本での累計販売本数が500万本を突破した事を発表しました。
https://www.famitsu.com/news/202007/01201444.html

日本のゲーム市場において、累計販売本数が500万本を超えたのは、あつ森を含めて10タイトルしかありません。据え置きハードの500万本超えは初代スーパーマリオ以来35年ぶりの快挙です(Switchを据え置きハードと扱って良いのかは疑問ですが)。
順位タイトルメーカーハード発売日販売本数
1ポケモン 赤・緑任天堂ゲームボーイ1996/02/27822万本
2ポケモン 金・銀任天堂ゲームボーイ1999/11/21730万本
3スーパーマリオブラザーズ任天堂ファミコン1985/09/13681万本
4New スーパーマリオ任天堂DS2006/05/25648万本
5ポケモン ダイヤ・パール株ポケDS2006/09/28585万本
6ポケモン 黒・白株ポケDS2010/09/18553万本
7ポケモン ルビー・サファイア株ポケGBA2002/11/21540万本
8おいでよ どうぶつの森任天堂DS2005/11/23533万本
9もっと脳トレ任天堂DS2005/12/29510万本
10あつまれ どうぶつの森任天堂Switch2020/03/20500万本

ポケモンやマリオといった1~9位まのタイトルは、数年にわたって売れ続け累計販売本数を伸ばしてきました。一方、あつ森の500万本達成は発売からわずか3ヶ月程度であり、まだ年末年始を一度も経験していないという状況です。ゆえに、今後も販売本数を増やしていく事は確実であり、将来的には1位のポケモン赤・緑の822万本を上回る可能性も充分あり得るでしょう。家庭用ゲーム市場の縮小が続く中で、あつ森がこれだけ圧倒的な売上を記録したのは驚くほかありません。

なお、ファミ通の集計データはパッケージ版のみであり、ダウンロード版の数字は含まれていません(ダウンロードカードは含む)。任天堂の発表によると、3月末までにあつ森を購入したユーザー(日米欧全体)は、50%がダウンロード版を選択しているという事です。おそらく日本の割合は海外よりも低いので、20~30%程度だと仮定すると、現時点でのパッケージ版+ダウンロード版の合計は700万本前後と推測されます。こうした点を踏まえると、あつ森の累計販売本数が歴代1位になるのはまず間違いないです。

ところで、上記の販売本数TOP10は全て任天堂ソフトです(株式会社ポケモンは実質的に任天堂)。これは別にサードパーティーを除外しているわけではなく、単純に売上TOP10を任天堂1社が独占しているという事です。そこでサードパーティーの実績を分かりやすくするため、ソフト販売ランキングをTOP50まで拡大し、尚且つ任天堂と株式会社ポケモンを除外した表を作成しました。
順位タイトルメーカーハード発売日販売本数
13モンハンP3カプコンPSP2010/12/01450万本
17ドラクエ9スク・エニDS2009/07/11415万本
21ドラクエ7エニックスPS2000/08/26389万本
25ドラクエ3エニックスファミコン1988/02/10380万本
31モンハン4カプコン3DS2013/09/14359万本
34ドラクエ8スク・エニPS22004/11/27354万本
35FF8スクウェアPS1999/02/11350万本
37FF7スクウェアPS1997/1/31328万本
38ドラクエ6エニックスSFC1995/12/09320万本
39妖怪2 元祖・本家レベルファイブ3DS2014/07/10317万本
43ドラクエ11スク・エニ3DS・PS42017/07/29311万本
44ドラクエ4エニックスファミコン1990/02/11310万本
49スト2カプコンSFC1992/06/10288万本

TOP50の内、サードパーティーのタイトルは13作しかありません(しかもその半分以上がドラクエという歪さ)。つまり、日本で売れているゲームはほとんどが任天堂ソフトであり、それ以外はスク・エニやカプコンの一部のタイトルしかないという事です。発売日に1万人の行列を作ったドラクエ3、PS1を勝利へ導いたFF7、サードパーティーで最も売れたモンハンP3、小学生を中心に社会現象を起こした妖怪ウォッチ、こうした大ヒット作を以ってしても、任天堂には及ばないのです。

ちなみに上記表の通り、日本の歴代ソフト売上TOP50の内、PSタイトルはたった6作(ドラクエ11は3DSとの合算なので実質5作)しかありません。PS1・2は任天堂を打ち負かした圧倒的勝者というイメージが強いですが、実際のところソフト売上は大した結果を残せていないのです。あつ森の史上最大級のヒットを見て、ソニーやサードパーティーは何を思うでしょうか…。

ニュース 2020年6月 4週目
6月24日
ポケモン新作発表会Pokemon Presents 「ポケモン UNITE」発表 Switch&スマホで提供 基本無料


ソフト開発費の高騰 血を吐きながら続ける悲しいマラソン
今年末に発売が予定されている次世代機、ソニーの「プレイステーション5」と、マイクロソフトの「Xbox Series X」。これら新ハードの発売が、ゲーム市場を盛り上げる起爆剤となる事が期待されます。とはいえ、ゲームメーカーにとって次世代機への移行は、ソフト開発費の高騰という大きな問題が待ち受けています。

現行のPS4やXboxOneでも、海外の大作ゲームは開発費100億円を超える事が珍しくないですが、次世代では更にコストが膨れ上がると懸念されています。SIE(ソニーゲーム部門)の元会長であるショーン・レイデン氏は、PS5の開発費は3億ドル(約320億円)になると見込んでいます。
参考リンク:https://jp.ign.com/the-last-of-us-2/44763/news/playstationaaa

ソフト開発費の高騰は、ゲーム業界が長年抱えてきた課題です。これまでゲームメーカーは、既存のソフトリソースを使い回して安く新作を開発(いわゆる完全版を発売)したり、海外での販路を増やす事で、何とかやりくりしているのが実情です。しかし、こうしたやり方は既に限界が来ており、ソフト開発費を抑えるという根本的な問題を解決しない限り、次世代機ではとてもやっていけません。

「グラフィックをそれなりに抑えてコストを削減すれば良いのでは?」と思う人もいるでしょうが、一度グラフィックに注力したソフトはユーザーからの期待も高まるので、続編では更なる映像美が求められる事になります。これに応えられないと売上が減少するので、結局グラフィック競争から降りる事も出来ないです。そして、アメリカなど海外ではソフト価格が基本的に59.99ドルで統一されているという慣例があるため、日本のソフトように1万円近い値段にして利益を増やすという方法も使えません。開発費は大幅に上がるのに、ソフト価格は上げられないという、構造的な問題がソフトメーカーを苦しめるのです。

なお、マイクロソフトがXboxSXのローンチタイトルに予定している「Halo Infinite」は、開発費が5億ドル(約540億円)を超えているという事です。これはマイクロソフトという世界トップクラスの大企業だから可能な事であり、一般的なゲームメーカーではとてもこれだけのコストは掛けられないでしょう。

また、先日公開されたPS5の正式発表の動画で、アメリカの大手ロックスター・ゲームスの「グランド・セフト・オートV」の発売が明らかになりました。GTA5は、元々2013年にPS3とXbox360で発売され、翌2014年にはPS4とXboxOneでも発売されました。パソコン版なども含めた全ハードを合計した累計販売数は1億本を超えているという、超大ヒットタイトルです。それが2021年頃に、PS5でも発売されるというわけです。

ところで、この7年間で続編のGTA6は発売されていません。つまりGTA5は、PS3・PS4・PS5と、三世代にもわたって使い回されている事になります。1億本売れたタイトルの続編は、多くのユーザーが待ち望んでいると思われますが、それがいつまでも出ないというのは、重厚長大のゲーム開発が如何に時間やコストが掛かるかという証左でしょう。ちなみに、GTA5の開発費は2億6730万ドル(約280億円)という事ですから、もしGTA6が出るならば、Halo Infiniteをも超えるコストが掛かるのではないでしょうか。

かつてセガがドリームキャストで発売した「シェンムー」は、製作費70億円という事をテレビCMで大々的にアピールし、最も開発費の掛かったゲームとしてギネス登録もされました。しかし、現在では70億円など小粒タイトルに思えるぐらい、ソフト開発費は高騰しているのです。

こうしたゲーム開発費に関して、かつて任天堂の社長だった山内溥氏は、以下のような名言を残しています。

「二十一世紀のソフトに大容量はいらない。そんな人海戦術を要する仕事をしていたらソフト会社はみんな沈没する

「大容量ゲームは駄目。こんなことをしていたら世界中のメーカーがつぶれてしまうだろう。重厚長大なゲームは飽きられている。ゲームは常に新しい楽しさを開発し、ひたすら完成度を高めていくことが本質である」

「新機軸を打ち出さなければ、ゲームそのものがマンネリ化して飽きられる。また、『重厚長大』型のソフトは、内容が複雑で、制作に時間も人手も費用もかかる。数十億円をつぎ込み、百万本を販売するヒット作となっても、なお赤字という場合もある。それではビジネスとして成り立たない。『軽薄短小』でも完成度の高い面白いゲームはできる

「結局、私たちの業界は物を作って物を売っています。いい物を安く作って、さらに合理化して一層安く作る。果てしない競争です」

参考リンク:https://the-greats.com/people/1503


これらの発言は今から20年程前の事であり、その時点で既にゲーム業界の未来を予見していた洞察力には感服します。ですが、当時の任天堂はソニーのPSに敗北していた時期であり、山内氏の発言は負け犬の遠吠えとしか捉えられていませんでした。こうした開発費の問題を見て見ぬふりをしてきたソフトメーカーが近年窮地に追い込まれ、任天堂がSwitchで大きく躍進しているのは皮肉なものです。

実際、任天堂は2001年発売のゲームキューブを最後にハードの高性能路線をやめて、ソフト開発費の高騰を抑えるようにシフトしています。任天堂のDS・Wii・Switchなどは、同時期のライバルハードと比較してグラフィック性能は一世代劣っていますが、二画面タッチパネル、リモコンによる直感的な操作、据え置き機と携帯機の融合、といった独自性を打ち出す事で、ゲームとしての魅力を高め、多くのユーザーを取り込む事に成功したのです。このように任天堂が明確に方向性を示しているにも関わらず、ギミックを使いこなすアイデアを持たないサードパーティーは、単純なグラフィック勝負になるPS(海外はXboxも)に注力してきたのですから、自業自得とも言えます。

当然ながら、何百億もの開発費が掛かるゲームは、絶対に失敗出来ません。ゆえに次世代で作られるのは、ある程度の売上が見込める、既存タイトルの続編ばかりになる可能性が高いです(というか現行機で既になってます)。結果として、内容のマンネリ化で売上は減少し、ソフトメーカーは更に厳しい状況に追い込まれると思われます。

はたして、次世代機のコストアップに付いていけるゲームメーカーはどれだけ存在するでしょうか。以前から開発費の削減に取り組んできた任天堂、莫大な資産を持つマイクロソフト、こうした一部を除いた大多数のソフトメーカーは、近い将来破綻する事になりそうです。

ニュース 2020年6月 3週目
6月17日
ポケモン 新作発表会 「Pokemon Presents」開催 「New ポケモンスナップ」など 来週24日更に新作発表の予告も


サード依存 絶望的な未来のPS5
先週ついに正式な発表が行われた、ソニーの次世代機プレイステーション5。発売は今年末と予定されており、クリスマスシーズンのゲーム市場を大きく盛り上げる事が期待されています。ですが、これまで何度も当ブログで指摘してきた通り、日本でPS5が成功する可能性は極めて低いです。これは別に、筆者の予想や願望という訳ではなく、これまでのゲーム市場のデータを分析した結果から導き出される、ほぼ確実な未来です。

ゲームハードを売るには、多くの人が魅力的に感じるソフトが不可欠です。しかし近年、その魅力的なソフトを生み出せているゲーム会社は任天堂ぐらいで、それ以外のメーカーの存在感は希薄になっています。ファミ通の集計データによると、2020年(6月13日時点)のソフトメーカー別の販売シェアは、任天堂が全体の半分を超える59.9%となっています。
参考データ:ゲーム売上定点観測 https://teitengame.com/soft02.html

3位のポケモン(7.5%)も実質的に任天堂なので、合計すると67.4%。つまり任天堂は1社だけで、2020年の日本ゲーム市場のソフト売上の3分の2以上を占めている事になります。今年ソフトを発売しているメーカーは数十社あるにも関わらず、たった1社に3分の2以上のシェアを奪われるというのは、任天堂のとてつもない強さと、サードパーティーの驚きの弱さが明確に表れていると感じます。

今年の任天堂がここまで圧倒的なシェアを獲得しているのは、もちろん「あつまれどうぶつの森」という超超超ビッグタイトルの存在が大きいですが、Switchが発売された2017年以降、任天堂の年間シェアはいずれも40%を超えているので、サードパーティーのソフト売上が激減しているのは疑いようのない事実です。

当然ながら、Switchにソフトを提供しているサードパーティーも多い事を踏まえると、PS5が獲得可能なシェアは全体の1~2割程度しかないと考えられます。こんな状況では、PS5が大きく普及する事などあり得ません。

「サードパーティーが多くの有力ソフトをPS5に提供すれば任天堂のシェアを奪えるのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、それも望み薄です。サードパーティーのかつてのミリオンタイトルは、近年売上が激減しており、ハードを大きく牽引する力は無くなっているからです。
ブログ内リンク:ゲームソフトのブランド低下比較

上記リンク先から、サードパーティー(ソニー含む)のデータを抜粋したのが以下の表です。
シリーズメーカー売上最高作・販売数最新作・販売数減少率
ドラゴンクエストスクエニドラクエ9415ドラクエ1131025.3
キングダムハーツスクエニキンハー2113キンハー38425.7
モンスターハンターカプコンモンハンP3450モンハンW19656.4
ファイナルファンタジースクエニFF8350FF1510470.3
グランツーリスモソニー初代GT215GT64081.4
バイオハザードカプコンバイオ2215バイオ73484.2
真・三國無双コーエー真・三國無双3118真・三國無双81686.4
ウイニングイレブンコナミウイイレ6112ウイイレ20201289.3
みんなのGOLFソニー初代みんゴル173Newみんゴル1690.8
妖怪ウォッチレベル5妖怪2 元祖/本家317妖怪42990.9
鉄拳バンナム鉄拳3119鉄拳7992.4
ストリートファイターカプコンスト2288スト5697.9

これを見れば分かるように、サードパーティーソフトの大半は全盛期から8割近く売上を落としているのです。FF7は初代PSを普及させた最大の立役者でしたが、最新作の15は100万本売るのがやっとという体たらくです(7リメイクはミリオンも厳しそう)。モンハンシリーズは、低迷していたPSP市場を大きく躍進させましたが、最新作のワールドは全盛期の半分以下の売上に終わっています。

このように、昔と今ではミリオンタイトルの売上や影響力は大きく変わっているのです。かつて大ヒットしたというイメージに囚われて、現在の実力を理解出来ていないゲームファンは少なくありません。ですから、未だに「FFやモンハンが出ればPS5が勝つ!」などという現実が見えていないPSユーザーが大勢いるのでしょう。PS4は決してソフト不足だった訳ではなく、FFやモンハンやドラクエに加え、サードパーティーの主力ソフトの大半が発売されたにも関わらず、Switchに大敗したという事実は認識しておくべきです。最早、サードパーティーのソフトにゲーム市場を左右する力は無いのです。

一方で、任天堂はSwitchでソフト売上を大きく伸ばしているタイトルは多いです。ゼルダBoWやスマブラSPはシリーズ最多販売数を更新していますし、近い内にあつ森も、DSの「おいでよどうぶつの森」の売上を抜く事になるでしょう。一部、脳トレなど売上を大きく落としているタイトルはありますが、ブランド維持力はサードパーティーとは比較になりません。今後は益々、任天堂とサードパーティーの売上は差が開いていくでしょう。

なお「サードパーティーが続編ではない新規の大ヒット作を生み出してPS5が爆発的に売れる」という可能性は限りなくゼロです。近年は任天堂ですら新規のヒット作に乏しく、サードパーティーに至っては続編ばかりで、実験的な新規作すらほとんど発売されていない状況です。2000年以降に生まれた、サードパーティーのPSハードでの新規ミリオンタイトル(市場に影響を与えるには100万本程度の売上が必要と判断)は「鬼武者」「真・三國無双」「キングダムハーツ」「モンスターハンター」の4作(Vita版マインクラフトを含めても5作)しかありません。

一応任天堂ハードを含めれば、レベルファイブの「レイトン教授」「イナズマイレブン」「妖怪ウォッチ」などもありますが、これらはDSや3DSの客層ゆえのヒットと考えられるので、PSで発売されてもヒットはしていなかったでしょう。つまり、この20年間のPSでのサードパーティーの新規ヒットはたった4作だけです。これがPS5になって、急に新規ヒット作が増える事は考えられません。むしろ、PS5はハード性能の向上に伴ってソフト開発費が上がるため、ヒットするかわからない新規作を作りたがるメーカーは更に減るでしょう。

これらを総合すると、PS5はSwitchに市場の大半を奪われ、残った2割程度の市場をサードパーティー(とソニー)のマンネリソフトで奪い合うという、虚しい未来が見えてきます。繰り返しになりますが、現在のサードパーティーにゲーム市場を左右する力は無いです。任天堂と違って自社ソフトで市場を牽引出来ないソニーは、こんな貧弱なサードパーティーでも依存せざるを得ません。ですから今後、PSがゲーム市場をリードする未来が訪れる事は無いと断言出来ます。

仮に今後Switchが失速したり、あるいは将来的に出るであろうSwitch2(仮)が不振に終わったとしても、それでPSのユーザーが増える事はありません。任天堂が死ぬ時は、即ち家庭用ゲーム市場全体が滅ぶ時なのです。

ニュース 2020年6月 2週目
6月9日
任天堂 「ニンテンドーネットワークID」の不正ログイン続報 これまでの16万件に加え新たに14万件発覚 注意喚起
https://www.nintendo.co.jp/support/information/2020/0424.html

6月12日
ポケモンGO 32ビット版Android端末のサポートを終了

6月12日
ソニー PS5本体デザイン発表


Yes!プレステ5 GoGo!
本日6月12日午前5時、ソニーによるプレイステーション5の映像イベント「THE FUTURE OF GAMING」が公開されました。PS5本体が初お披露目された他「グランツーリスモ7」「バイオハザード8」などソフトラインアップも発表されています。



事前に予想出来ていた事ですが、正直驚きやワクワク感に乏しい発表でした。

まず、本体デザインは無駄にオサレ感を演出していますが、発熱などゲームハードとしての機能性があまり考慮されていない印象があり、正直ダサいです。ディスクスロットの大きさから判断すると、本体は初期型PS3(325mm×274mm×98mm)よりもデカい歴代のゲームハードでも最大級のサイズになっており、店頭で買って家に持ち帰るのは一苦労だと思われます。

ソフトラインアップも目新しさは特に無く、単にグラフィックが綺麗になっただけ(それもPS4から大幅に進化しているわけでもない)の、従来の延長線上のタイトルばかりでした。ハードを牽引出来そうなビッグタイトルも見受けられず、これまで新ハードのお披露目時に発表される事が多かった、ファイナルファンタジーのナンバリング新作もありませんでした。PSハードは、発売の何年も前からタイトルだけ発表してユーザーの期待感を煽る事には長けていたのですが、PS5ではそのハッタリすら出来ていない気がします。


個人的に興味深かったのは、PS5はディスクドライブを備えたスタンダードモデルと、ディスクドライブが無いデジタルエディションの2バージョンが発売されるという点です。デジタルエディションはパッケージソフトで遊べない、つまりはダウンロードソフト専用のハードという事になります。PS5の価格はまだ発表されていませんが、ディスクドライブが不要な分、デジタルエディションの方が安くなる(1万円程度?)と思います。逆に言うと、スタンダードモデルはかなり高いので、デジタルエディションを併売する事でハードを安く見せたいという、ソニーの思惑があるのではないかと推測されます。

とはいえ、日本で売れるのはスタンダードモデルの方だと予想します(正確にはどっちも売れないでしょうが)。海外では既にソフトのダウンロード販売が主流になっていますが、日本はまだまだパッケージ派の人が多いです。それに加え、日本のPSユーザーはあまりお金持ちでは無い事が影響しそうです。

PSのパッケージソフトは値崩れのスピードが速く、発売から1~2ヶ月で半額以下になるケースも珍しくないです。また、パッケージソフトは遊び飽きたら中古ショップに売却出来るというメリットもあります。ダウンロードソフトでもセールが行われる事はありますし、PS Plusのフリープレイ対象になれば無料で遊べますが、こうしたタイトルは限定的です。総合的に見ると、パッケージソフトの方が安く遊べる可能性は高いです。

その上、ダウンロードソフトしか売れないデジタルエディションは、小売も取り扱いたくないでしょう。ゲームハードを1台販売して得られる小売の儲けは数百円~千円程度という少なさです。ゆえに、ソフトも売って利益を上げなければやっていけないのが実情です。一般的なゲーム機ならば、ハードを売った後も客がソフトを継続的に買ってくれる可能性はありますが、PS5デジタルエディションの場合はハードを売った後の小売は一切儲からない事になります。果たして、こんなゲーム機を仕入れてくれる小売は存在するでしょうか。

そもそも、スタンダードモデルでも当然ダウンロードソフトは遊べるので、ユーザー側がデジタルエディションを選択する意味はほぼありません。上記の通り、おそらくデジタルエディションの方が本体は安価ですが、パッケージソフトを安く買える点を踏まえると、結果的にスタンダードモデルの方が得になると思われます。


このようなダウンロード専用ハードを見ると、ソニーが2009年11月1日に発売したPSPgoが思い出されます。PSPgoは、PSPをマイナーチェンジしたモデルで、PS5のデジタルエディションと同じく、ダウンロードソフト専用のハードでした。当初は小売から猛反発が起こりましたが、その騒動はすぐに収まりました。PSPgoは壊滅的に売れなかった(累計16万台)ので、小売が大きな損害を被る事は無かったのです。

PSPgoは通常のPSPより1万円高いという意味不明な価格設定だった事や、ソフトが少ない(PSPソフトの一部しかダウンロード販売はされていない)といった問題点が多すぎで、発売前から失敗が決まっていたようなハードでした。PSPgoの爆死っぷりが表れた象徴的な出来事は、メディアクリエイトの週間販売ランキングで0台を記録した事です!この珍事は、ゲーム業界の伝説として今も語り継がれています。
https://www.4gamer.net/games/117/G011794/20110810045/

go.jpg

まあ、PS5のデジタルエディションはスタンダードモデルより安いはずですし、PS5は全てのソフトがダウンロードに対応するでしょうから、流石にPSPgo程の爆死にはならないはずです。しかし、いずれにせよ日本でPS5が売れる可能性は極めて低いです。次世代ハードならではの新しいゲーム体験を提供出来ない限り、PS5はPS4を大きく下回る結果に終わるでしょう。

ニュース 2020年6月 1週目
6月3日
セガ ゲームギア発売30周年記念「ゲームギアミクロ」10月6日に各4980円で発売


日本で「Xbox Series X」を売る方法を考える 後編
前編はコチラ

今年末に発売が予定されている、マイクロソフトの次世代機「Xbox Series X」。発表済みの性能を見る限り、海外ではかなりの売上を記録しそうですが、日本ではさっぱり売れずに終わりそうです。ハードメーカー3社の対決としては、任天堂のSwitchに遠く及ばないのは当然として、ソニーのPS5(おそらくPS4を大きく下回る)にもまるで敵わない、ぶっちぎりの最下位に終わるでしょう。とはいえ、Xboxシリーズの最多記録(Xbox360:累計160万台)を超えるぐらいの売上ならば、達成は可能だと思います。そのためにはどういう戦略が必要なのか、考察していきます。

ゲーム業界における、マイクロソフト最大の強みは豊富な資金力です。2020年5月時点のマイクロソフトの時価総額はおよそ150兆円で、世界第二位です(アップルやアマゾンよりも上)。ソニーの時価総額が9兆円、任天堂が6兆円ですから、会社の規模は正に桁違いです。ソニーや任天堂を凌駕する、札束での殴りあいが、日本でXboxSXを売るためのポイントになるでしょう。



まず、ハードを安価にする事が絶対条件です。XboxSXの性能はハイエンドパソコン並で、製造コストは1台当たり10万円近いとも試算されています。XboxSXの価格はまだ発表されていませんが、マイクロソフトは価格帯についても自信を持っているという旨の発言をしており、ネット上では5万円前後になるのでは?と噂されています。

確かに、XboxSXのハードスペックを考えれば5万円は破格であり、コアゲーマーならばメチャクチャ安いと感じるでしょう。一方で、ライトユーザーにとって5万円は高すぎる金額です。日本でのゲーム普及価格帯はおよそ3万円と言われており、これより高額で成功したハードは、DVD再生機能が備わっていたPS2(約4万円)だけです。現在、世界中で勢い良く売れ続けているSwitchが約3万円なので、XboxSXも同程度の価格に抑えられれば、日本で売れる可能性が高まるはずです。

これだと1台当たり7万円もの逆ザヤ(推定)になりますが、日本でXboxSXを普及させるには、これぐらいインパクトのある価格設定が必要でしょう。ソニーや任天堂には無理でも、世界トップレベルの資金を持つマイクロソフトならば、不可能な金額ではないと思われます。



そして、ゲームハードを売るために重要なのはソフトです。かつて任天堂社長だった山内溥氏は「ハードというのはどうしても遊びたいソフトのために仕方なく買っていただくもの」と発言しましたが、これは真理です。いくらハードが高性能で安くても、遊べるソフトに魅力が無ければ売上は伸びません。

ソフトラインアップの充実には、洋ゲーではなく日本のサードパーティーの主力タイトルをどれだけ揃えられるかが重要になります。以前と比べれば随分マシになってきているものの、日本で洋ゲーはまだまだ売れていません。グランド・セフト・オートやコール オブ デューティなど、世界で数千万本売れる大ヒット作も、日本のライトユーザーへのアピール力は皆無です。むしろ、ゲームショップのXboxの棚(よくわからない英語名ばかりでどんな内容か判断し辛い)のマイナス具合を見る限り、日本で広く売るには洋ゲーなんて無い方が良いとすら言えます。

日本のサードパーティーのソフトは、マルチタイトルでは効果が薄い(XboxSX版を選ぶ日本人はまずいない)ので、独占タイトルである事が望ましいです。当然ながら、Xboxに独占ソフトを提供する日本のゲームメーカーなんてほぼ無いので、マイクロソフトはサードパーティーに対して何らかの優遇措置を働きかける必要があります。

日本でPS4は売れていないにも関わらず、サードパーティーの主力ソフトの大半がSwitchではなくPS4で発売されているのは、ソニーがサードパーティーを誘致するために、ソフト開発費の援助や買取保証(ソニーがソフトを一定数買い取ってくれるので最低限の利益が確保出来る)を行っているためだと言われています。ですから、マイクロソフトがソニー以上の優遇条件を提示すれば、多くのサードパーティーを呼び込めるようになるでしょう。

正直なところ、金に物を言わせて強引にソフトを獲得するやり方は、あまり好きではありません。実際、PSにクソゲーが多いのは、ソニーの買取保証が原因だと思っています。ゆえに、マイクロソフトは単に開発費を支援するだけでなく、一定のクオリティを確保出来るように、サードパーティーと協力してソフト開発に臨むべきでしょう。サードパーティーは、利益さえ出ればソフトの提供先がPSだろうとXboxだろうと関係ないはずなので、より資金の多いマイクロソフトの方が誘致に有利です(ごく一部のクリエイターはソニー忖度を続けるかもしれませんが)。



また、宣伝活動に力を入れる事も重要です。任天堂やソニーは、ハード発売から数年経った今でもSwitchやPS4のテレビCMを行っています。他にコカコーラやマクドナルドといった誰もが知っている企業・商品であっても、継続的にテレビCMを流しています。このように、世の中に広くアピールするには長期的な宣伝が不可欠なのです。

それに対し、マイクロソフトが現行機XboxOneのCMを行ったのは、発売直前・直後のわずかな期間だけでした。まあCM数を増やしたところで、XboxOneの売れ行きは大して伸びないでしょうが、こうしたマイクロソフトのやる気のなさが、日本でXboxが売れない大きな要因である事は間違いありません。

宣伝はテレビCMだけでなく、ファミ通などのメディア(ゲーム業界内外問わず)へのアピールも必要です。また近年は、有名YouTuberのゲーム実況動画による宣伝効果も高いとされています。もちろんステマはご法度ですが、マイクロソフトが自社の名前を出し、メディアや実況者を通じてXboxSXの魅力を広くアピールする事は、何の問題も無いです。



これらをまとめると、マイクロソフトが膨大な資金を投入して、ハードを安価に販売し、ソフトラインアップを充実させ、その魅力を広く宣伝する事が、日本でXboxSXを売るための方法と考えられます。………あまりにも当たり前すぎて拍子抜けする結論になってしまいましたが、これまでのマイクロソフトは、こうした基本的な販売戦略すら出来ていなかったのです。

とにかく最も重要なのは「マイクロソフトが日本ゲーム市場を獲得するためにどれだけ真剣になるか」です。資金や技術力が豊富なマイクロソフトに足りないのは「やる気」というただ一点だけです。マイクロソフトが全力で日本市場に向き合えるかどうかで、XboxSXの成否が決まる事になるでしょう。



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